営業の標準化をはかる。

効果的に見込顧客を成約に結びつけるために、
営業の標準化は大切です。
営業担当が自分一人であるとしても、
安定した営業の実現と、
精度を高めていくためにも、標準化はしておくべきかなと思います。

成約率を把握してますか?

消費者が自社と契約(購買)にいたるまでには、
いくつかのステップがあります。

まずは消費者に見込み顧客になっていただくための活動です。
これはまだ実際に「買ってください」と仕掛ける以前のところですから、
営業が登場する場面ではありません。

むしろマーケティングによっていかに見込み顧客を増大するか、
という話しです。
このあたりは今回のテーマではありませんので、また別の機会に改めて。

今回はこの「見込み顧客」をいかに成約に結び付けるか、
というお話し。
この精度が低いと、いかに見込み顧客が増えようと、
それが成約に結び付きにくいわけですから、
非常に非効率なことになってしまいます。

見込み顧客に見積りをつくり、
その見積りを何度も作り直し、
あげく成約に至らない。

こんなことを繰り返していると、
見積りばかりに時間を奪われ、
でも売上にはつながらないということで、
心も削られていきます。

だからこそ、この成約率を高めていくことは、
とても大切なことです。

ここで一つ問いかけです。
皆さんは自社の見積から成約にいたるまでの、成功率を
把握しているでしょうか?

「だいたいこれくらい」ということではなく、
実数値としてです。

もし測定したことがないということでしたら、
ぜひ一度ここ数年分の集計をしてみて、
現状の成約率を把握いただけたらと思います。

どんなことでも問題を解決していくためには、
まず現状を正しく把握していくところからのスタートです。

そしてその現状を
具体的にどのような状態に改善するのか、
ということを目標値として定め、
その目標を達成するための具体策を定め、
実行する。
その結果をまた測定し、
目標に到達しなかったのであれば、
そのような結果になってしまった原因となる問題形成を行い、
また具体策を定めて実行する。

いわゆるPDCAですね。

いずれにしてもまずは現状を正しく認識するところから始めましょう。

成約に至るまでを分解する。

それではどのようにして
その精度を高めていくのでしょう?

具体策が場当たり的であったり思い付きによるものでは、
なんとなく、心もとないですよね。

そもそもその具体策と言っても・・
という状態かもしれません。
こんな風に難しい問題や壁に直面したときには、
この言葉が有効です。

「困難は分割せよ」

私の好きな言葉です。
デカルトがその著書である「方法序説」の中で述べています。

難しいことは、まずは細かく切り分けてみるところからはじめましょう、
ということですね。

細かく切り分けると、
その一つ一つの解決すべき問題・課題が小さくなることで、
解決に向けてのハードルが下がります。
そして一つ一つの具体性が高まることで、
その解決策をイメージしやすくなるのです。

仮に、見込みから成約に至るまでを、
①アプローチ:共感と同調を生む
②ヒアリング:問題設定とその形成をする
③プレゼン:解決策の提案をする
④クロージング:解決策の選択と決定
という4段階に分けるとします。

そしてこの①から②、②から③、③から④のステップの
どこで見込み客を取りこぼしているのか測定します。

全体で見込み客の24%が成約しているとしたときに、
①から②で80%(10%取りこぼし)
②から③で60%(40%取りこぼし)
③から④で50%(50%取りこぼし)
という結果が出たとします。

するとどう考えても③から④へのステップで
大きく顧客を取りこぼしているので、
③の解決策の提案をどのように改善するか、
ということがテーマになります。

現状の具体的な問題、
例えばちゃんとした提案ができていないとか、
提案の説明資料がわかりにくいとか、
そういったものを解決することで、
この「50%の取りこぼし」が何%になるのか。
これをどんどん追求することで、
成約率を高めていくのです。

成功例を共有し、標準化を。

営業は、その能力によって
大きくその成果が変わってきます。
できる営業できない営業というのが、どんな会社にでも
当たり前のように存在することだろうと思います。

上記の②から③で、
ある人は10%しか取りこぼしていないが、
別の人は60%取りこぼしているというケースが
普通にあるでしょう。

そもそものキャラの問題によって、
その差が生まれていることもあるかもしれませんが、
ひょっとしたら、
成果の出ている営業マンのノウハウがあるかもしれません。

そういったものを形式知化することができるのであれば、
それらを社内で共有することで、
その差を少しでも埋めることができるようになります。

ですからそれぞれのステップで、
それぞれの営業が
どのようなノウハウに基づいて、
どのようなツールを使用して
結果を出しているのか、
その成功事例を持ち寄るのです。

営業会議の場で、それら成功事例を持ち寄り、
他のみんながマネできることはないか、
ということをみんなで議論し、
できることがあれば、
それをそれぞれのステップで行う営業のマニュアルとして、
標準化していくのです。

それ以外にも、
「こんなツールを使ってるよ」
というものがあれば、
それも同じようにツールとして標準化していきます。

これを積み重ねていくことで、
営業マンの標準化が図られていきます。


営業マンの成果の差を、
そのまま能力の差として割り切ってしまうのは、やめましょう。
標準化できるところは標準化していって、
そうやって標準化に成功した分だけ、
その会社の儲けがそこに生まれるのです。

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