複雑なものは、だいたい何かおかしい。

基本的に世の中というのは、シンプルにできていると思いますし、
美しいものも、本質的なものも、本来はとてもシンプルなものです。
それを受け入れられるか、そうあり続けることができるかという問題はありますが。

複雑に思えてきたら、間違いの始まり。

ある昔の偉人が言ってました。
「解決策がシンプルなものであれば、それは神の答えである」

誰が言ったか、誰から聞いたか。
でもこの言葉がとても好きです。

オイラーの等式とか、めちゃ美しいですよね。
私、文系ですから、
小説「博士の愛した数式」に出会うまで、
この数式の存在を知らなかったわけですが、
これを初めて知った時、
神(宇宙の造物主)は本当にいるんじゃないかと思いました(笑)。
少なくともこの宇宙全体は本来、
めちゃシンプルなルールでできあがってるんじゃないかという
確信みたいなものをもちました。

こんな意味わからない話しは置いとくとしまして、
わかりやすいところでは、
スティーブジョブズがアップルの製品を通して、
「美しい製品とはシンプルなものである」
ということを明らかにしました。
見た目だけでなく、
機能も不要なものは徹底的にそぎおとし、
なんなら、人に見られることのない内部回路のまでもが
シンプルに美しく作られているのは有名な話しです。
そしてその製品は「アップル信者」という熱烈なファンを多数生み出しました。

これは「製品」における例ですが、
この世の中のすべて「シンプルである」ことがきっと正解で、
「なんだか複雑になってきたな」と感じたら、
それはきっと、間違った方向へ進む入口に、
片足を突っ込んでしまっているんじゃないかと思います。

会社のルール

いろんな局面でまさに「シンプル・イズ・ベスト」なわけですが、
その中でも真っ先に思い浮かんだのが、
会社など、組織のルールです。

組織にはルールが必要です。
これは当然ですよね。
それがなぜ必要かというと、
その組織に属している人たちを守る、ということであったり、
標準化を通して効率性を高めることであったり、
ということです。

ルールというのはこのように、
社内の人間の迷いをなくしたり、
誰かが不利益を被らないようにしたり、
みんなが働きやすくなったり、
お客さんによいサービスを提供できるようになったり、という風に、
そもそもみんなを幸せにするために存在するものです。

こうしたルールというものは、
何か問題が発生したときや、
物事がうまく進まなかったときに、
そういったことが二度とおこらないよう、
その都度定められていきます。

これ自体は正しいことなのですが、
標準化・マニュアル化というそれ自体が原理主義化して、
微に入り細に入り、マニュアルということになると、
そのボリュームは膨大なものになり、
その改定が極めて大変なものとなり、
あげく、誰も見ないものとなってしまいます。

みなさんの会社にも、こんなマニュアル、ありませんか?
こうやって却って非効率化を生み出し、
その組織に所属する人たちが疲弊することになると、
そもそもその本来の目的ってなんだっけ?
ということになります。

複雑すぎる、誰にも見てもらえないルールは、ルールではありません。
いかにシンプルに美しく、目的を果たす状態をつくりあげるのか。
これを意識しておかないと、
気が付いたら面倒なものになっていきますので要注意です。

ちなみに大企業や役所は、こんなものであふれているように思います。

複雑な人間関係

人間関係だって、そうですよね。
私はいま、本当に付き合いたいと思っている人以外とは
極力付き合わないようにしていますから、
この方面での悩みは極小です。

しかし、これもちょっと油断すると
すごくややこしいものになってきます。

そしてそれをややこしいものにしているのは、
だいたい自分自身だったりします。

こっちから縁を切ろうとしても
向こうからまとわりついてくるのしょうがないですが、
自分自身になにがしかの「欲」や「色気」みたいなものが出てくると、
本来関わるべきでない人との関わりや、
本来参加すべきではないコミュニティとの関係などが出てきて、
しかもそこに自分の「欲」が絡んでいて、自分から断ち切れない。
そして人間関係が複雑になって、ストレスがたまって、
わけわからなくなっていきます。

私も今は比較的スッキリですが、油断するとおかしなことになってしまうので、
これは本当に、継続的に要注意です。

利益の出し方

利益がでる会社をつくる、というのは、
実はとてもシンプルなことです。

自分が得意でやりたいことを事業領域として、
それを買って欲しい人(=ターゲット)を定め、
その商品をそのターゲットが喜んでくれるように徹底して磨き上げて、
その存在・情報・魅力がその「理想の顧客」のもとに届くように
ひたすら発信・発信・発信を、工夫を重ねて発信する。

ただそれだけのことです。

あとはその適正規模がどこにあるか、
ということだけで、
無駄に肥大化させないようにすれば、利益は出ます。
もちろん価格設定は大切ですよ。
上記のことがどれだけできてようと、めちゃ弱気な価格設定では
利益がでるわけありませんから。

しかし、経営にも「欲」や「色気」はつきものです。
本来手を伸ばす必要のない事業や、
手を付けてはいけない事業に、
隣の芝が青く見えて、めちゃ儲かるように魅力的に見えて、
本来既存の事業をもっと大切に磨き上げなければならないにもかかわらず、
そんな事業に手を伸ばして、会社のあり方がどんどん複雑になっていって、
どんどん利益を出しにくい会社になっていく。
そんな会社を山のように見てきました。

新規事業を否定しているわけではありません。
ただその事業に対する思いや熱意がどこまでのものかということであって。

会社の事業内容が、なんだか複雑になってきたなぁと感じたら、
それはおかしな方向に踏み出している証拠。
早急に何かを捨てるか、
可能なのであればその複雑になっている事業のありかたを、
シンプルに整理整頓しましょう。

複雑すぎるものに、いいものは何もありません。
事業も人生も、もっとシンプルでいいと思いますし、
それがきっと本来のあり方であり、正解だと思うのです。
多少自戒を込めた、今日のブログでした。

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