以前のブログでお話しした通り、
アイデアを生み出すためにはインプットが欠かせません。
インプットしたものを将来活用できるものとするために。
アウトプットできなければ意味がない。
インプットしたものは、
そのままではただの「知識」でしかありません。
要は「素材」のままである、ということです。
その「素材」である知識が、
他の情報や他の知識、外部環境などに触れて化学反応を起こすことで、
アイデアが生まれます。
積み重ねてきたインプットは、
そのようにして初めて実体化し、
現実世界で生かされます。
しかし、インプットしたものが
その後まで心の中にとどまり、
アイデアとして結実することは、
なかなか困難です。
インプットしても、あっという間に
頭の中から消え失せてしまうからです。
皆さんも、一度本を読んだだけで、
その直後はその内容をある程度覚えていたとしても、
一週間後にそこに書いてあった内容を覚えていることは
難しいだろうと思います。
読んだときには、確かに感動した内容・フレーズだったのに、
ものの3日くらいで忘れてしまうことも普通にあります。
このように、いくらインプットしたとしても、
それが頭の奥の奥の奥の方に追いやられて、
もう一度その本を読まないと
「あぁ、そうだった」
と思い出すことができないようであれば、
そのインプットは活用されず、
アイデアにつながっていくことはないのです。
つまり、その後アウトプットすることのできないインプットは、
完全に無駄とはいいませんが、
それほど意味のないものとなってしまうのです。
決まったところに記録する。
皆さんご存じの、作詞家:秋元康にとってアイデアは、
10年以上過去の経験でも心にひっかかったものが今になって
「あ、これだ」と呼び起こされるものだったりするらしいです。
「その時々で心にひっかかるものを記憶にとどめておく」
彼はそれを、
「心のふせんを貼る」
と表現していました。
それを聞いて私は、
「あ、やっぱり秋元康は天才なんだな」
と思いました。
普通の人間、こんなことムリですよね。
よっぽどインパクトのあったことであればまだしも、
日常のふとしたことで心にひっかかったものなど、
そのときにはちょっとした感動であっても、
それを後々になって自由にアウトプットすることなどできません。
それまでに記憶の彼方へと飛んでいってしまうのです。
私も凡人ですから、同じことです。
本を読むたび、
「ああ、なんて自分は普通の人なんだ」と思います(笑)。
ですから凡人は凡人なりに、
いろいろ工夫をしなければなりません。
私がやっているその一つの工夫は、
「決まったところに記録する」
ということです。
心のふせんは貼ることができませんので、
実際にPC内に記録をします。
その時に私が使用しているアプリは
Evernote(エバーノート)。
このブログも、いったんエバーノートで記述したのち、
それをWordPressにコピペして体裁を整えます。
顧問先との議事録もエバーノート。
セミナー記録も勉強会記録もエバーノート。
つまり、一か所に集めているのです。
PCをすぐに開くことができないときだけが例外で、
そんな場合にはスマホの音声メモアプリで
とりあえず適当に記録しておき、その後エバーノートに転記するようにしています。
エバーノートはその後にノートブックやスタックという機能で分類できますし、
文字検索もできますので、
記録した後に情報を引っ張り出すのも容易です。
日常でひっかかったものは、そういう「ノートブック」を作成して、
そこに蓄積し、時間があるときに読み返すようにしています。
するとその都度自分の中でその情報がリフレッシュされるので、
徐々に頭の中でも比較的アウトプットしやすい場所にあがってきます。
早めに自分の言葉でアウトプットする。
もう一つ、私が実践している、
自分の頭の中でアウトプットしやすい場所に記憶として残す方法に、
「アウトプットする」
という手段があります。
インプットしたものを忘れないうちに、
表現してしまうのです。
その方法は、口に出してしゃべってもいいですし、
文字に起こしてもいいでしょう。
とにかく、インプットしたものをそのまま吐き出すのではなく、
ちゃんと自分の言葉に変換して表現するのです。
そうすることでインプットした情報は自分の頭の中に定着され、
使いたいときに使えるようになります。
一度アウトプットすると、
インプット後放置するよりも断然定着化しますが、
一度だけでその後放置すると、
やはり徐々に頭の奥の奥の奥のほうに行って
取り出せなくなってしまいます。
ですので、できるだけ何度もアウトプットして、
定着度合いを高めます。
かつて私の知り合いで、
なにか勉強してきたらとにかく私にアウトプットしまくる人がいました。
きっと私だけでなく
いろんな人にしゃべってたんだと思うのですが、
そうやって彼は、
一度学んだものを確実に血肉にするために、
いろんな人を巻き込んでいたのです。
このように、しゃべる相手がいればベストなのですが、
必ずしも相手がいないといけないわけでもありません。
車の中で一人でいるときに、
運転しながらでもできることですし、
私のように、とにかく書く、
ということも一つの手段です。
このブログにはいろんな目的が内包されていますが、
アウトプットすることも重要な目的の一つです。
ですので今こうやって、このブログを読んでくださっている方は、
ある意味私のアウトプットに付き合わされているのです(笑)。
このように、一度インプットしたものを
容易にアウトプットできるようにする手段はいろいろあります。
どんな方法が自分にあっているのか、いろいろ試してみながら、
一度頭に入れた大切なものを簡単に忘れてしまわないようにしましょう。
一度インプットしても
それをほぼ完全に忘れてしまうということは、
そのインプットの時間が
ほぼ無駄になってしまうことと同義なわけですから。