なぜ保険代理店はややこしいところが多いのか。

まず最初に断っておきますが、
すべての保険代理店・保険募集人に問題があると言っているわけではありません。
彼らの中には本当に人徳の優れた、尊敬すべき方も多数おられます。

しかし、現実問題として、
この業界には問題の多い人が大多数を占めているように思います。
その理由と、保険に入るときの注意点について。

売りたい商品を売る

保険代理店は、その名の通り
保険会社の商品を代理販売してそのコミッション(手数料)で収入を得ています。
これ自体は正当なことですので、
仕組みそのものに問題があるわけではありません。

問題があるのは、
販売人の人格や代理店の品格です。

保険代理店は顧客ニーズに応えるため、
複数の保険会社の商品を取り扱っているところがわりとあります。
消費者側も、
「それだけの保険会社を取り扱っているなら、最適な商品をきっと提案してくれるだろう」
と考えるし、
代理店側も
「最適な保険をご提案」
とうたっています。

しかしここに落とし穴があります。
その落とし穴とは、
代理店が受け取ることのできるコミッションは、
保険商品によって同じではないからです。

詳細は省略しますが、
商品の種類によってももちろん違いますし、
その代理店がその保険会社の商品をどれだけ販売しているかによっても変わってきます。

販売量が少ないと「等級」が下がることがあり、
そうなると同じ保険を売ったとしてももらえるコミッション率が下がったりするのです。
するとどういうことが起こるかというと、
「コミッション率の高い商品を売ろう」
「コミッション率が下がらないように、この保険会社の商品を売ろう」
という邪念がうまれます。

もちろんこういった行為は基本的には禁止されているわけですが、
必ずしもそれが守られているわけではありません。

すぐにいなくなる

保険を販売するためには、
保険の募集人になるための資格試験に合格しなければなりません。
生命保険の場合「一般過程試験」と呼ばれるものです。

保険の知識や、保険のコンプライアンスに関する知識を必要とするものですが、
運転免許の学科試験のように、
正直その気になれば誰でも合格できるような試験です。

保険の募集人をしている人の中には、
とりあえず営業職で手軽に稼ごうと考えている人や、
生活費を確保するためになんとなくこの業界に入ったという人が、
相当数います。

「保険」というものの存在価値に強い想いを持ち、
「生活者の将来を自分の手で守ろう!」
という崇高な理念のもと代理店を始める人は、
それほどいないというのが現状なのです。

その証拠に、保険代理店の廃業率というのは極めて高く、
既存代理店が10年後にも残っているという可能性は、
非常に低いのが現実です。

保険会社がとにかく代理店・募集人を増やしたがっていたことがあったというのも
原因の一つではあります。
現実私もこれまで付き合いで保険代理店に登録するようなこともありましたが、
保険案件は信用できるライフプランナーを紹介し、自ら売らないので、
すぐに資格取り消しになってしまいました。

これは少し特殊な例としまして、
今皆さんが保険に加入される際に話しを聞いてくれた募集人は、
その後いなくなってしまっていることがほとんど、というのが実情です。

もちろんその募集人が業界から去っていたとしても、
加入した保険がなくなるわけではありませんが、
後にお話しする通り、保険は加入した後がとても大切です。

ですから、加入時の営業マンがすぐにいなくなる、というのは、
その後の責任を持とうとしていない、という意味で
大きな問題であると思うのです。

「納品」の認識が販売人と契約者の間で異なる。

保険は、契約者がその契約内容を正しく理解したうえで契約をする、
ということになるのですが、
この時点では契約者は
「保険料を支払うことが決まった」
というだけで、契約者の立場としては、
「なにかあったときにどのような対応をしてもらえるか」
ということが言うまでもなく大切です。

つまり契約段階で保険商品を買ったわけですが、
その真価はその保険給付が発動されたときに初めて発揮されるわけです。

ですから契約者にとって保険の「納品」は保険金が給付されたとき、
といって過言ではありません。

しかし、保険募集人にとっては違います。
保険募集人はその名の示す通り、
保険を「募集」するのが仕事です。
そして当然のことながら、
募集人が保険会社からコミッションを受け取れるのは保険の契約があった時であり、
保険給付でいくら契約者をケアしたからといって、
そのタイミングでコミッションがもらえるわけではありません。

したがって、多くの保険代理店・保険募集人は、
保険の契約までは必死に営業をしてきますが、
加入した後はほったらかしになる、というのが一般的です。

このように契約者と募集人の間には、
「どの時点で納品か」というタイミングにズレがしょうじており、
このことが契約者の不満を生み出す温床となってるのです。

税理士事務所も信用ならん。

いろいろ書いてまいりましたが、これらがすべてというわけではありません。
しかし、こういった理由から保険代理店・保険募集人は、
なかなか信用して後の生活設計を預けられる人が少ないのです。
そんな中、税理士事務所を通して保険に加入される方も
経営者の中には多いのではないかと思います。

税理士事務所が保険代理店をやっているケース、結構あります。
顧客に保険をススメルことができるので、
結構いい収入になったりするものですから。

しかし本業は税理士です。
契約の後、ちゃんとその後のフォローを続けてくれる事務所は
私の知る限り極めて少数です。
逆に保険の解約のタイミングを失念して問題になるなど、
事故になるケースが散見されます。

私も自分で顧問先の保険契約を管理する自信がないし、
餅は餅屋ということで、
自分が保険代理店として保険を販売することはありません。

「税理士事務所だから、その後もちゃんとケアしてくれるはず!」
といって信用してはいかんのです。


さて、これまでさんざん
保険代理店・募集人の悪口(?)を書いてきたわけですが、
改めて言いますが、
全員がそんな人たちではありません。
中には非常に人格優れた優秀な代理店もあります。
多くの他の仕事と同様に、
知識量や技術だけでなく、人格がとてもものをいう業界です。
ある意味、知識量よりも人徳がものをいうとさえ、考えています。

保険は、自分や家族の今後の生活を支える、
めちゃめちゃ重大な買い物です。
このような買い物をあまり信用のできない(もしくはわからない)人から買うことは、
全くオススメできません。

親戚だから、友人だから、ということではなく、
本当にこの人はちゃんと自分の人生に寄り添って、
今後も長く、自分や家族のケアをしてくれる人なのか、
ということをよく考えて、契約してください。

あるときいなくなってしまったり、
適切でない保険に加入させられたり、
保険漬けにされるようなことになってしまう前に。

もしそんな信用できる人がいなくて、こんな私を信用してくださるならば、
一声かけていただけましたら、
間違いのない保険代理店をご紹介さしあげます。

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