個人の貸借対照表を作ってみよう②

本日のブログは昨日の続き。個人(家計)の貸借対照表の第2回です。

遠い先を俯瞰して見渡すことが、大切です。

万一のときの金額で作成する。

昨日作成したのは、現時点での資産と負債(および純資産)でしたね。
現状、どれだけの財産をもっていて、逆にどれだけの負債を抱えていて、
その差額として、現状清算するとどれだけの財産が残るのか、
という現状把握です。

つぎに、ここに万一の場合の金額を表現していきます。

家計上、知っておく必要があることは、
現在どれだけの財産があって、どんな収支でやっていけるかということと、
万一のとき(要は自分が死んだとき)にどれだけ保険金が入ってきて、どんな財産状態になるか、
ということですからね。

それでは昨日作成した表の左側・右側に1列ずつ挿入して、
「死亡時」の金額を入力する列を作成しましょう(下図参照)

ここに現状で記入した財産が、万一のときにどのように変化するか、という金額を入れていきます。

ほとんどの項目は現状の金額をそのまま記入すれば問題ありません。
自身が死亡することで状態が変化するのは、主に
①保険契約と②住宅ローンです。

①保険契約

万一のことがあったとき、どれだけの補償が支払われるのか、
その金額を「死亡時」列に記入します。

現状を作成したときには、
「解約・満期の返戻金がある契約」のみ記載していたと思いますので、
掛け捨ての保険契約については記載されていない状態になっていると思います。
もしそういった保険がある場合には、
掛捨て保険契約を挿入して、時価のところは「0」、そして死亡時の列に補償額を記入しましょう。

②住宅ローン

住宅ローンについては当初の契約時に
「団体信用生命保険(略して『団信』)」に加入していることが多いだろうと思います。
その場合には、自身の死亡時には残高がゼロになりますから、
死亡時の欄は金額「0」とします。


これで現状の万一のときの資産と負債が埋まりました。
同じように資産と負債それぞれの合計を取り、差額から純資産額を計算しましょう。
これで、万一のときが表現された貸借対照表が完成です。

さて、自身に万一のことがあった場合にも、
この純資産額で、あとに残された家族が問題なく生活していけますでしょうか?
それが難しければ、保険契約の見直し等考えなければなりませんね。

10年後を作成する

ここまで、現状の財産状態を考えてきましたが、
ライフプラン・ファイナンシャルプランを考える際には、
「将来」がどのようになっているか、
ということが大切です。

ですからライフプランを考える際には、
エクセルなどで横軸に時間軸を設けて1年ごとのライフプラン表を作成します。
これについてはまた機会を設けて作成方法を解説したいと思います。

今回は
「ある一時点での、財産状態の詳細を知る」
ということをテーマに貸借対照表を作成していますが、
これを毎年分作成するのは大変ですから、
例えば「10年後」などの一定の時期を設定して、
その時点での貸借対照表を想定して作成します。

基本的な作成の方法は、前回解説したのとほぼ同じです。

今の家計収支で考えて、毎年いくらずつくらい預金が増えていくでしょう?
10年後、保険積立はいくらになっているでしょう?
これらを想定して10年後の時価を一つ一つ記入していくのです。

現状記載のときには預金を口座ごとにわけて記入しましたが、
どの口座がいくらになるなんてわかりませんから、
10年後記載のときには「現預金」とひとくくりにしてしまって良いかと思います。

また不動産に関しては、時価が上がるか下がるかわかりませんから、
現状と同じ金額を入れるか、もしくは
建物が老朽化する分、若干減少した金額を記載するのがいいでしょう。

保険積立金や住宅ローン残額については正確な金額がわかると思いますので、
その金額で記載します。

すると10年後の貸借対照表が完成します。

そして先ほど同様に「死亡時」の列を設けて、
10年後に死亡したとしたら、という前提での金額を入れていきます。
これについても先ほど解説した通り。

これで10年後の純資産と、10年後死亡時純資産が算定されます。
さて、どんな具合になりましたでしょうか?

まとめ

私の場合、10年後の死亡時で、
その後の家庭生活は全く困らない状態になるということがわかりましたので、
その表を妻に見せて
「10年後には、オレの最低限の仕事は完了だね」
と説明しています。
(もちろん現状死亡したとしても、ある程度困らない資金設計になっております)

この例では10年後で作成しましたが、
若い方は10年後だけでなく20年後とかも作成しても良いでしょう。

このように具体的な数値で一目で財産状態がわかる表を作成してみると、
どこに問題があるのか、ということがはっきりしますし、
その問題にちゃんと手を打つことで、私のように
「ほら、安心」
ということを示すことができるようになります。

なかなか後回しになりがちなことですが、
ぜひ一度、ちゃんと時間を設けて、
パートナーの方と一緒にこの表を作成いただけたらと思います。

将来に対して、
「なんとなく不安」と思って生活するのと、
「こんな状態になってるから大丈夫」と思って生活するのとでは、
大きな差があると思うのです。

タイトルとURLをコピーしました