批判をおそれない。

小零細企業は、自社の独自性を知ってもらうために、
積極的に発信をする必要があります。
その際もちろん炎上には気を付けないといけませんが、
必要以上に批判を恐れる必要もありません。

認知が必要

昨日顧問先と打ち合わせをしていたときに相談がありました。
「本業と直接関係のないものだけれども、
 世の中に発信したいことがあって、
 それを伝えてそのコミュニティを作るための
 ウェブサイトを立ち上げようと思っている」
とのことです。
そしてそのウェブサイトはすでに99%完成していました。
しかし
「この内容、大丈夫かなぁ?批判とかされないかな?」
ということで、その公開に少し躊躇しているようでした。
私の回答は、
「気にせず、さっさと公開しましょう」です。

内容自体、別に間違ったことを主張しているわけでもないですし、
人の考え方は人それぞれなのだから、
ある程度、この主張に合わない人が出てくるのはしょうがない。
そしてもし批判してくる人がいるとしても、
気にしないということです。

小零細企業が独自性を出すためには、
とんがる必要があります。
その主張が他社と違っていたり、オリジナリティが強いからこそ、
そこに「独自性」が生まれます。
大企業と異なり、巨大な市場を作り上げることを想定する必要はありません。
むしろそうならない方がいいと思っています。
自社と共感し、ファンになってくれる人をどれだけの数作れるか。
この方が小零細企業にとってはよっぽど大切なことだと思います。
そんな関係がきっちりと出来上がって、
そんな関係のユーザーや顧客が一人一人増えていけば、
経営側としてこれほど心強いことはありません。

しかしファンを生み出すと、
そのファンの数と関係の深さに比例して、
アンチが生まれます。
しかし、自分が信念をもって届けたい商品やサービスを、
共感する人に一人でも多く提供したいと考えるならば、
それを恐れる必要はまったくありません。
わざわざ批判をしてくるような方がいれば、
「まぁ、そんな考え方の人もいるよね」
と受け流せばいいのかなと、思っています。

批判を回避するために発信を躊躇したり、
主張が中途半端になったり、
発信の機会を少なくしてしまうと、
本来その思いを届ける相手に届かなくなってしまいます。

自社の独自性が相手に刺さってこそ、
自社の商品やサービスがファンのもとに届きます。
どれだけその商品・サービスが優れたものであったとしても売れない、ということにならないよう、
積極的に発信をしていきましょう。

ミスマッチを防ぐために

自社の考え方に共感して、
商品・サービスを購入してくださるユーザーとの関係を作るためには、
その商品・サービスが自社の考えるターゲットに
適切に届くことが大切です。
独自性の強い商品であればあるほど、
共感者にはしっかり刺れば満足度の高いものとなりますが、
そうでない人には極めて満足度の低いものとなりがちです。
求めているものと違うわけですから当然です。

特に物販ではなくサービス業において顕著であると思います。
物販であれば、その本来の価値に気が付いていただかなくても、
商品自体のもつ機能は発揮してくれますから、批判にはつながりにくいですし、
マイナスの印象を持たれない限り、買っていただけるに越したことはありませんから。
ファンにはならないかもしれませんが。

しかし、人対人のサービスである場合、
これが大きく問題になるケースがあります。
届けようとしている「価値」を求めていない顧客には、
もちろんその価値が感じ取られることはありません。
したがってこちらが提供しようとしている思いは届きませんし、
相手にそのサービスを提供して、喜んでもらえることもないのです。

売り手であるこちらもストレスですし、
相手も「これじゃない」と感じる。
こんな不幸なことはありません。
いわゆる「ミスマッチ」です。

このような状態を極力回避するためにも、
発信というのはとても大切です。
最終的に契約にいたらないにしても、
仕事をお断りをすることは、精神的な労力が必要となります。
わざわざ足を運んでいただいた相手にも申し訳ないですし、
「求めているものと違う」とがっかりされる姿を見るのもこれまた申し訳ない。
そしてうっかり受任してしまうと、
お互い不幸なだけなのです。
その後この関係を解消しようとすると、
双方それ以上のパワーが必要となります。

だから自社の考え方に共感されない、
もっというとそれを受け入れられない人が見込み顧客になってしまわないよう、
事前にしっかりと発信をしておくのが大切なんだろうと思います。

私も批判を受けるのは嫌ですし、
気にしないとは言いつつも批判を目にすると心が削られるので、
コメント欄は設置していません。
SNSも「ブログ更新しました」と垂れ流すだけで
その後振り返ることはしていません。
どの記事にどの程度の反響があったかは、別の方法でちゃんと検証は可能です。

ターゲット以外が近づいてくるのは自分の責任

私も今でも、
お断りをしないといけないような方からご連絡をいただくようなことも、たまにあります。
ご紹介をいただくこともあります。
「いや、紹介してくださるのはありがたいんだけど、
 なんでこの方を私に紹介してくるかな・・」
と思うことも正直あります。

ただそれは相手が悪いわけではなく、
結局は自分自身の問題であると思っています。
自社が求めているお客様像であったり、
自社がどのような考え方に基づいて、どのようなサービスを提供しようとしているか、
ということが相手に適切に届いていないのです。

これは自身の発信力・発信方法の問題であり、
自身の責任です。
独自性の強いものを、その共感者に届けるためには、
まず多くの人に認知してもらう必要がありますから、
どうしてもその分、ミスマッチの機会も増えます。
だからこそこうしたミスマッチが生じたときや、
お断りする必要のある方から依頼があったような場合には、
「どういう風にすれば、次はこんな事態が防げるだろう?」
と考えて、ウェブサイトの中身や発信内容を
ブラッシュアップする必要があるのだと思います。
そういう理由もあって、
私はウェブサイトをちょっとずつでも回数を多く適宜改善していきたいので、
人に頼まず自社ですべて構築・運営しています。


何度も語っています通り、ミスマッチはお互い不幸です。
そしてそれが生じるのは相手方の責任ではなく、
自社の発信の仕方に問題があると考えましょう。
そしてそのような事態をできるだけ回避するためにも、
批判を恐れず、できるだけ具体的に、発信していく必要があると思うのです。

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