億劫の意味を知ると、安易に使えない。

今日は雑学。
「めんどくさい」という意味の「億劫」
この漢字の意味を考えたことがありますでしょうか?

羽衣の摩擦で削り取られととは到底思えない、岩山。

「仏像大好。」

今日、このブログを書こうと思ったのは、
昨日行きつけの居酒屋さんで、
ずっとモニタに流れていたこの番組、

「仏像大好。」

その中で「劫」について触れらていたことから。

なかなかマニアックな番組です(笑)。
しかし実は私も仏像が大好きで、
15年ほど前に友人の司法書士から
サロンで仏像について1時間余り講演をさせていただいたほどです。

その司法書士から
「サロンでしゃべって」
と依頼があったので、
てっきり税務か経営についての依頼かと思ったら、
「仏像」でした(笑)。

もうずいぶん勉強していないので
すっかり忘れてしまいましたが、
そんな今でも仏像に興味があることには変わりません。

ですから、お店のカウンターに座ってマスターと話をしながらも、
食い入るように番組を見てしまいました。

奈良の仏像についてお寺ごとに
一つ一つ丁寧にとりあげ、
知識のない人でもわかりやすいように
ポイントを押さえて説明してくれているので、
とても好感の持てる番組でした。

日本の仏像は奈良ばかりではないのに、
なんで奈良の仏像ばかり取り上げられるのだろう、
と思って見ていたのですが、
どうやら2010年に平城京遷都1300年をきっかけに
企画された番組だったようです。
帰ってから調べて判明しました。

とても良い番組ですので、
興味のある方は機会があればぜひ見てください。
「現地に足を運んで、本物を見てみたい!」
という気持ちになっていただけることだろうと思います。

「劫」とは

さて本題に入ります。

まず億劫の「劫」という字ですが、
これは他にどんな場面で使われているでしょう?

おそらく、「億劫」と「未来永劫」くらいしか、
日常の言葉としては使っていないんじゃないかと思います。
私はそれくらいしか思い浮かびませんでした。

読み方は
こう・ごう・くう
となります。

その意味は、
「きわめて長い時間」。

「五劫」のように単位として使われることもあります。
「寿限無寿限無 五劫のすりきれ」の
「五劫」です。

それでは「一劫」がどれほどの長さかといいますと、

100年に一度、天女が空から降りてきて、
40里四方の岩山を、その羽衣で撫でて帰っていきます。
その羽衣で撫でられた摩擦でその岩山が少しずつ削り取られて、
その岩山がすっかり平らになってしまう。

これくらいの時間だそうです。

もはや宇宙的な長時間(笑)。
というか元々、宇宙論的な時間の単位を言うそうです。

ちなみに仏教で扱う最も長い時間が「劫」で、
最も短い時間が「刹那」とのこと。

勉強になりますね。
日常生活の役には立ちませんが(笑)。

意識して「億劫」を使う。

ということは「億劫」とはどれほどのものなのか。
一劫でも永遠に近いほどの時間なのに、
それが「億」です。
宇宙のはじまりがおよそ138億年前ですから、
それより前の話しですね(笑)。
ただこの「億」は実際の「億」というよりも、
数が多いことの象徴として使われているのでしょうが。

いずれにしても、もはや永劫に近いですよね。

こう考えると「億劫」って
「どんだけめんどくさいねん!」
て感じです。

本当の意味を知ってしまうと、
なかなか安易には使えなくなってしまいますよね(笑)。

でも私は意図して使っています。

めんどくさすぎて、絶対にやりたくないようなときに。
その本意は、なかなか相手には伝わりませんが。

少し真面目な話しをしますと、
このように考えてみると、ホント言葉選びって大切ですよね。

普段何気なく使っている言葉でも
その言葉の持つ本来の意味がわかっていない場合もありますし、
その言葉でもって相手に伝えたい真意があっても、
それがなかなか相手に伝わらないこともあります。

同じ言葉であっても、人それぞれその捉え方は微妙に異なりますから。

一昨日に経営者の大切な仕事として
「概念整理」「定義づけ」のお話しをしましたが、
だからこそ社内での大切な言葉には
定義づけが必要なのだろうと思います。

最後はちゃんと経営の話しで終わろうとしましたが、
少し無理がありましたね(笑)。

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