モビルスーツという、イノベーション。

私のプロフィールを見ていただけたらわかるのですが、
大人になった今もガンダムが大好きです(ファーストガンダムに限る)。

子供の頃は単なるロボット同士の戦いがカッコイイというだけだったのですが、
背景の設定が極めて綿密で(後付け部分もあるでしょうが)、
実は単なる勧善懲悪でない、複雑な時代背景によって生じた戦争を描いた作品なのです。

設定が細かいだけに、
経営学や組織論などの視点から見ても学ぶべきことが多く、
ガンダムだけをテーマに、
いくつもブログが書けることに気が付きました(笑)。

ということで今回はイノベーションについて。
ガンダムをイチイチ解説しながら書くとその解説だけで終わってしまうので、
ファーストガンダムの知識のない人は置いてけぼり、
ということでお願いします(笑)

モビルスーツの最高傑作、ザク。

ジオン公国による、モビルスーツ開発

ガンダムマニアは当然のように知っていることですが、
ガンダムの世界では、なぜわざわざロボット(以下、「モビルスーツ」で統一します)で
戦う必要があるのか、という理由付けがされています。

それは「ミノフスキー粒子」という
架空の粒子の登場によるものです。

ミノフスキー粒子は、それを散布することでレーダーを妨害し、
通信障害を起こすことができる物質です。
それにより、ミサイルなどによる遠隔攻撃・誘導攻撃が
無効化されてしまったのです。

すると戦闘は目視でしか不可能になります。
その中で小回りが利いてかつ汎用性が高く、
高火力な兵器として、
モビルスーツが誕生するのです。

小国であるジオン公国は
地球連邦軍に対し30分の1程度の国力しかありませんが、
このモビルスーツの開発に成功することで、
戦争の序盤を圧倒的優位に進めていくのです。

モビルスーツの開発。
これは大きなイノベーションです。

ミノフスキー粒子の登場により、外部環境が大きく変貌しました。
そしてその外部環境の変化に対していち早く対応し、
ジオン公国はモビルスーツを開発したのです。
そしてそれにより
弱小国でも戦局を優位にすることができたのです。

小零細企業は、大企業に比べて経営資産は乏しいわけですが、
逆にトップダウンにより小回りが利くというのが大きな強みです。
外部環境に変化を機会ととらえて、
そこに自社の強みをぶつける、というのがSWOT分析の原則。

ジオン公国はこれを
「モビルスーツの開発」
という形で実行し、
国力で圧倒的に勝る地球連邦軍に
宣戦布告をできる環境を整えたのです。

ちなみにガンダムの一番最初に出てくる「ザク」の形式番号は、
「MS-06」
MSはモビルスーツの略ですから、ザクに至るまでに
5体開発されているということです。
そのうち01~04は、ファーストガンダムの中では影も形もでてきません。

なぜ地球連邦軍は開発に遅れたのか

ガンダムで描かれる戦争は、ちょうど一年間ほどの戦争だったことから、
作中で「一年戦争」と呼ばれています。

そしてこれまたガンダムマニアの間では当然の話しですが、
ファーストガンダムのアニメで描かれているのは、
その一年戦争の終盤3か月半ほどです。

つまり連邦軍はこの段階に至ってようやく
試作機(これが、ガンダムです)の開発に成功するのです。

地球連邦軍はジオン軍のモビルスーツにより、
相当痛い目に合うわけですから、
当然だれが考えても
「わが軍にもモビルスーツを!」
ということになるのですが、
このモビルスーツの開発に
大きく遅れてしまっているということです。

それではなぜ、こんなに遅くなってしまったのか、ということですが、
それは、現場のわかっていないTOPの連中が
抵抗勢力となったことによります。

現場の将軍は、モビルスーツの脅威がわかっていますから、
「すぐに何とかしないと!」と判断しますが、
本部の穴ぐらでのうのうとしているTOPは、
国力の差にあぐらをかいて、
「なぜそんなことに膨大な予算を割くのか」
ということになってしまうのです。

まさに大企業病です。

実際に現場で起こっている問題を直視せず、
「今のままでもなんとなく大丈夫なんだし、変わる必要ないじゃん」
と考えて、組織に変化を起こさない。
そうしていつのまにか外部環境の変化に乗り遅れて、
実際に危機的状況に陥ったときには時すでに遅し、
ということです。

「大企業病」と書きましたが、
これは小零細企業でも普通に起きていることです。

外部環境にいかに対応するのか

つまりこのガンダム事例から学べることは、
常に現場を通して環境の変化に目を凝らし、
その環境変化に自身の強みを生かして適応していく、
ということが経営において求められる、
ということです。

このブログで何度もとりあげている
「ビジネスシナリオ」が
それにあたります。

そしてジオン軍がそうであったように、
外部環境の変化に対応してイノベーションを起こすことは、
大企業よりも小零細企業の方が、
圧倒的に素早く行うことができます。

大企業のように資本力にものを言わせて大イノベーション、
というわけにはいかないでしょうが、
イノベーションとは、べつに大きなものをイノベーションと呼ぶわけではありません。

小零細企業にも、自社の強みは必ずなにかあります。
それを活かして、いち早く環境に適応した変化を繰り返したり、
大企業には入ってこられないような市場に打って出たり、
ということは絶対に可能です。

問題は、やろうとする強い意志があるか、
そしてそこにモチベーション高く取り組めるか、
ということです。

その意志がなければ、
変化を嫌って(または面倒くさくて)何もしない、
ということになりますから、
どれほど小さな事業体であっても、
「大企業病」と同じ結果となってしまいます。

小零細企業の生きる道は、
スピード感、
小回りの良さ
そしてTOPの思いを現場にまで伝えられることです。

この3つを捨ててしまった瞬間、
ほとんどの小零細企業は終わります。
ぜひとも、少なくとも業界とその周辺くらいの外部環境変化には
敏感でありましょう。

なお、この文中の「ミノフスキー粒子」に
wikipediaのリンクを貼っておきました。
それを見ていただくだけで、
ガンダムという一作品だけのために、
どれほど壮大で奥深い設定構築がなされたのかということを、
ご理解いただけると思います。

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