産業障壁の低いものは儲からない。

それぞれの事業には、「産業障壁」というものがあります。
産業障壁が低いものはすべからく儲かりませんから、
いかに自ら工夫して障壁の高いものにチャレンジするか、
ということが大切です。

産業障壁とは。

産業障壁とは、皆さんご存じのことだろうと思いますが、
ある事業に新規で参入しようとするときに目の前に現れる、
その参入のためのハードルのことをいいます。

参入障壁が低ければ、それは、
どんな人でも手掛けることのできる事業と言うことになります。

誰でもできるという大きなメリットがある一方で、
誰でもできるわけですから、
それは儲かりにくい仕事ということになります。

誰でもできる仕事はそれがどれほど価値の高いものであろうと、
そこに希少価値がうまれませんから、
どうしても儲かりにくいのです。

例えば私が先日このブログで取り上げて批判した、
マンション賃貸投資。

不動産屋さんが借入までセットでもってきますから、
極めて産業障壁が低いビジネス(というか投資)です。

ということは、まず儲かるわけがないのです。

儲からないということは投資として魅力的ではないですし、
そこに融資がからんでいるということは、
リスクでしかない、ということになります。

事業に対して、その事業を通して社会にどんな価値をもたらすか、
ということよりも、
事業を通して儲けたい、という思いばかりの人は、
楽して儲けることしか考えませんから、
どうしても産業障壁の低いところへと流れていってしまいます。

結果として儲からず、そこに対しての投資ばかりがかさんで、
会社が徐々に傾いていくのです。

産業障壁が高ければ儲かるのか。

それでは、産業障壁が高ければ儲かるのかというと、
必ずしもそうではありません。

「儲かる」というのは、ちゃんと利幅が確保できている状態で、
しっかりと売り上げがあがる、ということです。

そして儲かるためには、
自社の提供しようとしている顧客価値を、
その価値を正しく理解し、求めている消費者に、
正しく届けなければいけません。

だから、障壁が高いからといっても
その条件を満たしていないと、売上があがることもありませんし、
儲かることもありません。
しかし障壁が高い、ということは、
誰にでもマネできるものではない、ということで
その時点で最低限の条件をクリアしているのです。

産業障壁を、自ら作り出す。

産業障壁には、
最初からあるものと、
後から生まれるものがあります。

まず、最初からある障壁とは、
資格や許認可、です。

一口に資格・許認可といっても、その難易度は様々です。
資格でいうと、非常に難易度が低くてだれでも獲得できるものは、
産業障壁がほぼないも当然です。
許認可についても同様で、
漁業権のようにこれから改めて取得するのは極めて困難なものは、
障壁が極めて高いと表現されます。

そしてこれら、最初から存在する産業障壁とは異なり、
自らの力で生み出すことができるものがあります。
これがいわゆる「付加価値」と呼ばれるものです。

障壁が高ければ高いほど、
誰かに真似されるおそれがないわけですから、
顧客価値とリンクさせることができれば、
それはしっかりと儲かる事業へとなります。

つまり、いかに自身や自社がレアな存在になることができるか、
ということどえす。

それでは、レアな存在になって付加価値を高めるには、
どんな取り組みが必要かというと、
それは、自社や自身の「強み」でしっかりと勝負する、
ということです。

どれだけ付加価値をつけていこうとしても、
それが自身があまり得意でないことであれば、
その努力のわりにレア度は高まっていきませんし、
付加価値も低くなります。

逆に自身の強みで勝負をして、レア度を高めていくと、
それは他社にはなかなかマネすることが困難になっていきます。
したがって結果として
極めて産業障壁の高いものをつくりあげる
ということにいたるのです。

このように産業障壁は、とても大切です。
そしてその障壁は、制度として存在するものではなく、
自分自身の強みでもって構築するようにしましょう。
それが自身のもつ付加価値へと変わり、
誰にもマネできないという意味で、極めて高い障壁が築き上げられるのです。
自社の特技を生かして、超レアなものをつくりあげましょう。

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