仕事には、段取りが大切です。
経営にも、段取りが必要です。
実感としては「段取り八分」ではなく、
「段取り九分五厘」くらいのイメージです。
あくまでイメージですが。
なぜ段取りがモノを言うのか。
こんなこと今さら経営者の皆さんに
改めて語ることでもないかもしれませんが、
実は案外できていない人も多いんじゃないかとも思います。
「段取り八分」
この言葉を知らない人は、まあいないでしょう。
段取り(仕事に取り掛かるための下準備)がきちんとできていれば、
仕事の八割(つまり仕事のほとんど)は終わったようなもの、
ということですね。
直近の例をあげますと、
現在顧問先で廃業に向かって進んでいる会社がありまして、
その会社がいろんな備品などをくださるということで、
私の今後の事業にそのまま使えそうなものがいっぱいあったので
昨日、2tアルミトラックをレンタルしまして、
もらい受けに行きました。
これをトラックに積むにあたって、
「積みながら考える」
というのがダメなことは、誰でもわかりますよね。
積みながら考えてると、うっかりすると、
全部入りきらないなんてことが考えられます。
そうなると後の祭り。
いったん積んだ荷物をいったん出して、また入れ直して・・
みたいなアホな作業が行われることになってしまいます。
事前に荷台サイズと大きい荷物のサイズを計って、
どう入れたらちゃんと収まるか、計算してから、
その計算に沿って積んでいきます。
きっと皆さんそうされるんじゃないかと思います。
(私だったら考えながら積むとこだった!という人は、要注意です)
これと同じこと。
段取りが出来ていればすぐに済むことが、
逆に出来ていなければ場合によっては
2倍も3倍も時間がかかってしまいます。
段取りさえ出来ていれば、
その仕事はあとは何も考えずに進むのです。
そんな意味で仕事の効率と質まで考えたときに、
私は段取りは八分どころか
九分五厘くらい大切なものだと思っています。
仕事はまず、細かなスケジュールから。
先ほどの例は単体の仕事についてですが、
スケジュールに関しても同じことが言えます。
基本的に私は、
みっちりなスケジュールの中で動くことが好きではありません。
時間に追われたり遅れたりするとイライラしてしまうので。
しかし同時に、隙間時間があると、
ついつい仕事を入れてしまう性格でもあります。
これがややこしい。
ややこしいだけに、注意して仕事量をコントロールしているのですが、
それでもたまに、みっちり詰めてしまうんですね・・。
以前のブログで
「一日の仕事量の想定所要時間が、仕事時間いっぱいになってしまったら、その時点で詰んでいる」
というようなことをお話ししました。
突発的な仕事が飛び込んで来ることもありますし、
自分一人で仕事してるわけでもありませんから。
それでもやっぱり仕事がぎっしり、
しかも細かな仕事がたくさん詰まってしまうことがあります。
実はこの時点でコントロールできていないという意味で負けなのですが、
ここは勝ち負けでなく、
実際にそうなってしまったら、やらなきゃしょうがない。
こんなときには時間がないという焦る気持ちを抑えて、
まずは綿密なスケジュールを組むところからスタートです。
それだけの仕事量、
どの順番でどのようにこなしていくと、ピッタリ収まるのか。
それをあらかじめ段取りするところから始めましょう。
どの仕事にどれくらいの時間を要するのか。
これを正しく事前に推計できるかどうかは、日頃の訓練です。
私は毎日(休日除く)その日のはじめに
それぞれ仕事にかかる時間を想定しながら1日のスケジュールを組んで、
実際にかかった時間を記録して、
その差を把握するようにしています。
こうすることで大きく想定をオーバーしてしまったときには、
なんでそんなことになってしまったのか、振り返ることができます。
これを繰り返しているうちに、
徐々に自分がその仕事にどれくらいの時間を要するのか、
高い精度で読めるようになってきます。
こうしてスケジュールを決めてしまったら、
あとはその通り順番に進めていくだけ。
新たな仕事が舞い込んで来ても、
よっぽどの緊急でない限り、
それは翌日以降の仕事です。
もしくは想定よりも予定の仕事のすべてを早く終わることができて、
最後に時間が余ったときに。
忙しい時ほど最初の段取りを崩さないようにしましょう。
これが崩れてしまうと、
そこから一気に瓦解してしまうことがあります。
経営は、まず計画から。
徐々に視野を広げていって、次は「経営」という側面から。
仕事は全て、段取り九分五厘ですから、
経営だって同じです。
「目の前の仕事」「一日のスケジュール」というのを、
「年間の経営スケジュール」というものに置き換えて考えてみましょう。
そう考えると、
日常の仕事における段取りの重要性がわかっている人ほど、
経営計画の大切さがわかってもらえると思います。
経営計画を考えるにあたっては、
もちろん中長期の方針を明確にするところからスタートします。
その中長期方針に従ってこの1年は、
具体的にいつ誰が何を行って、
結果としてどれだけの成果をあげるのか。
これを事前に決めておくのが経営計画です。
1年もあればその間に、
本当にいろんなものが舞い込んできます。
そんな中、経営計画がないと、
この1年何をやらなければいけないのかということが明確になっていませんから、
その「いろんなもの」に振り回されて、
何をやりたいのかわからない、
ブレブレの経営になってしまいます。
まずは今期、何を成し遂げるのか。
これをはっきりとさせて、
目標とする成果をあげるところを、まず大切にしましょう。
もちろん経営において、
一瞬のチャンスを逃さないことは大切です。
経営には「天の時」というものがありますから、
タイミングを逸しないよう、急遽計画を変更することもあるでしょう。
しかしこれはあくまで例外。
チャンスや新たな思い付きは、とても眩く目に映りますから、
思わず手を付けてしまいたくなります。
しかしそれらに次々と着手しては今のことが中途半端になる、
というが一番やってはいかんこと。
まずは経営計画を大切にして、
その上で突発的に現れるものについては、
「縁が深いと感じられるもの」だけに取り組むということなんじゃないかなぁと思います。
このあたりは、また別の機会にゆっくりお話しできたらと思います。