kintone、やめました。

ずいぶん前から事務所運営に活用しようと思っていた「kintone」、
ついにやめました。
やめた理由と、その代替について。
いろいろ語りますが、結局は私が
「kintoneを使いこなせなかった」
ということに過ぎないのであって、
kintone自体を貶めているわけではないことを、最初に付記しておきます。

kintoneとは

まず、kintoneをご存じない方、たくさんいらっしゃると思います。
kintoneとは、cybozu(サイボウズ)という会社の手掛ける、
webブラウザ上で利用するデータベースサービスです。

例えばみなさんの会社にも、
顧客管理とか売上管理とかそういったデータベースが存在するだろうと思います。
お金をかけてこれらのことを行う場合、
開発会社に委託したり、
業界ごとに開発・販売されている、管理ソフトを利用するのが一般的です。

これをお金をかけることなく自社でやろうとすると、
それはExcelでの管理になったり、
Access(マイクロソフトのデータベースソフト)で作成することになったりします。
しかしこれらを使って少し高度なことをやろうとすると、
どうしてもある程度知識が必要になります。

もちろん社内の全員がそれをマスターすることはできませんし、
それができたとしても非効率ですので、
社内の誰かがそれを作ることになります。
するとその作成者がいなくなったとたん、
その維持管理がとてもむずかしくなります。

またエクセルはデータベースを扱えますが、
そもそもがデータベースソフトではありませんから、
どんどん処理が重たくなっていったりします。

しかもかつてのエクセルは、
同じファイルを複数の人が開いて同時編集ができませんでしたから、
社内の基幹データベースとして使用するには向いていなかったのです。

それ以外にも、エクセル(表計算ソフト)の問題点あるあるは、いっぱいあります。

そこで「kintone」の登場です。
「あなたの会社に困ったヒョウケイさん(表計算)はいませんか?」
そんな「ヒョウケイさん」から脱出する。
それがkintoneのテーマです。
そして何よりの売りが、
「利用したいデータベースがプログラミング不要で視覚的に作成できる」
というものでした。

kintoneを使おうとした理由

私自身、なぜkintoneの導入を考えたかというと、次のようなことです。
・社内に顧客データベースが欲しかった
・この顧客データベースを所内業務の進捗管理と連動したかった
・これらを社員みんなが同時にアクセスして入力したかった
・さらにこれらを、社外のどこからでも使えるようにしたかった

これらを満たすためには、webブラウザを利用した
クラウドデータベースしかないだろうということで
いろいろ探している間に数年前にkintoneと出会い、
これを導入しようと考えました。
プログラミング不要で視覚的にいろんなデータベースに基づく業務管理アプリを作れる、
というのが魅力的だったからです。

結局は「開発」が必要

そんなわけで4年ほどkintoneを使ってみたり使ってみなかったりしてきましたが、
結果としてはこのブログのタイトルの通り、
kintoneはやめてしまいました。
その大きな理由は次のようなものです。

・思った以上に、思い通りにならない

「視覚的に簡単に作れる」限界がありました。
たしかに簡単に作れるんですが、
これがなかなか自分のイメージしてる通りのものにはならないんですね。
やはり、ちゃんとしたものを作ろうとすると、
一定のプログラミングであったり有料でプラグインが必要であったりといった感じです。
そしてプラグインでもやっぱり、思ったようにはなかなか難しい。

最近よく、
「〇〇がわからなくても〇〇ができる」
と謳っているアプリをみかけます。
しかしその多くが、実態としてはそれほど融通が利くものではない、
という印象です。

freeeやマネーフォワードに代表される、
「簿記がわからなくても会計ができる」という
各種会計クラウドサービスもそうです。
最終的にちゃんとした決算書を作成しようとすると、
結局は簿記の仕組みをしっていないと正確なものはできません。
これ、強調しておきます。
「最終的には簿記の知識が、絶対に必要です」

RPAにしても、
「プログラミングなしでPC作業の自動化ができる」
というアプリがいろいろありますが、
利便性の高いものにしようとすると、
結局はプログラミングが必要になります。

kintoneでも同じことで、
自社に本当に合った形でカスタマイズするには、
社内でプログラミングレベルでバリバリ使える人が必要となってしまいます。

・結局は表計算が見やすい

我々の業界、どのお客さんのどの業務が、どの工程まで進んでいるのか、
これを視覚的に一覧表で確認できることが必要です。
まぁなくてもできますが、あったらめちゃ便利です。
これをkintoneでやりたかったわけですが、結局はここが一番のネックでした。

やはりこういったものは
「エクセルっぽい見た目が一番わかりやすい」、
という結論です。
そして、kintoneは結構そのパーツ一つ一つの見た目が「大きい」感じで、
一つの画面で多くの情報を一覧する、ということにあまり向いていない感じでした。
できるのかもしれませんが、結局ここでプログラミングの壁が立ちはだかりました。

うちのサイズなら、Google SpreadSheetで充分

そんなこんなで、最終的には
・見た目がエクセルっぽい
・クラウド上で動く
・同時編集が容易
・エクセルのように制作の自由度が高い
ということを求めた結果、GoogleのSpreadSheetで充分、という結論にいたりました。
そしてSpreadSheetでまかないきれない機能は、
GoogleFormなどと組み合わせて使うのが一番、
ということになりました。

仕事柄エクセルをわりとマニアックに使ってきていますから、
エクセルで上記のことができたら一番便利だったのですが、
「ファイル間でのデータのリンクが不自由」
というのがネックになりました。
そして同時編集しようとすると、Microsoft365に入らないといけないという
費用負担の部分も若干ネック。

SpreadSheetもデータベースソフトではありませんから、
データ量が増えてくるとどんどん重たくなるだろうとは思います。
しかし、うちの事務所は規模を大きくすることを求めていませんから、
それほど大量のデータを抱えることはありません。
そしてカレンダーはGoogle、
社内社外情報共有はチャットワークで便利に成立していますから、
これと連動する必要も特にありません。
きっとそれも研究すれば可能なような気はしますが。

そして今、事務所内のいろんな業務管理を
SpreadSheetに移管しようとしています。
「こんなことは、どうすればできるのだろう?」
ということが出てきたときにもネットで調べてみると、
そのほとんどが解決します。
いろいろ使い込んでいるうちに、
結構便利で機能性が高いことに今更気が付きました(笑)。

kintoneのように、「誰でも使える」ということを前提とすると
どうしても、制約が出てきてしまいます。
しかしSpreadSheetはエクセルみたいなもんですから、
ほぼ白紙から作り上げられる分、思い通りになります。
これを機会に、SpreadSheetについての自身の能力を高めてみようと思っています。

今イメージしていることができあがったら、
これまでエクセルとドキュワークスを駆使してやっていた所内管理業務が
相当にスッキリします。
これによって相当ストレスが取り払われて、
時間的な業務効率も高まるんじゃないかと期待しています。


エクセルをこれまで普通に使っている方は、
結構普通にSpreadSheetも使えます。
しかも、エクセルをマニアックに使える人であれば、
ただ表を作るだけではない、というレベルで使いこなせるんじゃないかと思います。
私がSpreadSheetを使い始めてからもう10年ほどになりますが、
その間に相当の進化を遂げてきました。
エクセル依存されている方は一度使ってみていただけたらと思います。
思った以上に汎用性が高くて、優れものです。

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