幹部には経営者の方を向いてもらう。

経営者は、その会社の状況にもよりますが、
よっぽどお金で困っていることのない限り、だいたいは人の問題で悩んでいます。
今日は、小零細企業の組織がうまくまわるための、
経営幹部のあり方について。

いつまでたっても、こっちを向いてくれない。

社員さんとは通じ合えないもの

経営者と、社員さんの経営・仕事・会社への考え方には、
大きな隔たりがあります。
埋め切ることのできない、幅の広く、そして果てしなく深いミゾがあります。

「うちはそんなことないよ!」
とおっしゃる経営者もあるかと思います。

もちろんそんな会社もあります。
しかし、前提として、
経営者と社員の関係はそのようなものだと考えておかないといけない、
ということです。

社員さんが非常に素直な人であれば、
それほど大きな問題なく、
経営者の考えに寄り添ってくれるだろうと思います。

しかし人はいろいろですから、
そうでない人が会社に入ってきたときに、
「なんであの人は」
とかいうことになってしまうのです。

「なんであの人は」というのは、
社員は勝手に社員の方から、
経営者の考え方に当然のように寄り添ってくれるものだ、
という前提にいるということです。

この前提に立ち続けている限り、
永遠にその距離が埋まることはありません。

ですから、
「社員さんとは通じ合えないもの」
という考え方は、
別に社員さんのことを悪く言っているわけではなく、
経営者は、むしろそれが当然なのだという前提で
組織づくりを考えていかないといかんということです。

立場が違えば、考え方は違います。
どれだけ相手の立場に立って考えているといっても、
それが100%になることはありません。

特に小零細企業は組織が小さくて全員の顔が見える分、
経営者と社員さんパートさん全員が、
エモーショナルな関係になりがちです。

大企業ほどドライな関係で居続けることはできないだけに、
難しいところがあるのです。

社員さんの不満の醸成

社長と社員さん1名、という程度の会社で、
互いの人間関係が不信感バリバリ、ということには、
なかなかならないだろうと思います。

もしそうなってしまうのであれば、
それはどちらかもしくは両方が人間的に大きく間違っているか、
お互いの性格がよっぽど合わないときくらいかと。

経営者が語りかける相手は一人ですし、
社員さんも経営者の方を向いて仕事をするしかありません。
ですから経営者と社員の関係、という意味で
その関係が崩れることはあまりないように思います。

しかし、これが2人・3人となってくると、
少しずつ話しが変わってきます。
そんな人数になっても、
経営者が社内に長いこといるような会社であったり、
常に全員がチームとなって動くような組織であるならば、
大きな問題は発生しにくいものです。

問題は、経営者が社外に出る機会が多く、
社員は社員だけで仕事をする機会が多い場合です。

こんなとき、悪気はなくとも会社のあり方に対する疑問や不満が、
社員間で対話されることになります。
これはどれだけ良い経営を行っていても
少なからず発生します。

「不満」ではなく、
「こんなところ改善できるよね」
という疑問くらいから始まったものが積み重なり、
それを経営者が汲み取る前に社員間で醸成されると、
不満に変化します。

一度こうなると、次々と様々な問題が
「不満」として社員間で醸し出され、
あるとき経営者と社員の関係が一気に瓦解します。

問題がゼロの会社なんてありませんから、
これはどんな会社にも、
発生する可能性をはらんでいます。

社員さんに人間的な問題がある人がいる場合、当然発生しやすいですが、
そうでない場合にも発生します。
コトの起こりは「問題提起」に過ぎないわけですから。

経営者としては、それほど悪いことをしたわけでもないのに、
ただ不満が積み重なっていくことで人間関係が破綻し、
大悪人のような扱いを受けることになってしまうのです。

幹部の存在と、その向いてもらう方向。

このようなことにならないためには、
社内にリーダー的存在の人が必要となります。
いわゆる、経営幹部です。

その人がパートさんであるとしても、
経営者が会社内にいないときに、
その場のリーダーのような立場になる人は、
経営幹部と考えておく必要があります。

それだけ、社内リーダーは重要な存在です。

なかなか経営者がいる前では言い出せなかったような
問題提起やちょっとした不満が、
経営者のいない場所では普通に出てきます。

これを経営幹部たる社内リーダーが耳にしたときに、
どのように受け止め、
どのような対応を取ってくれるか。
これがキモです。

経営幹部が経営者ではなく社員との関係に寄り添って、
完全にその社員の立場に立って同調してしまい、
「そうだよね、そうだよね」と言っていると、
しばらくすると、
完全に社員の不満側に抱き込まれるようになります。

そのリーダーは、会社組織の中でのリーダーではなく、
「不満分子のリーダー」に変貌するのです。

しかしここで明確にしておかないといけないことは、
それは何も社員側だけが悪いということではなく、
そのような状態になるまで放置しておいた、
経営者側の問題でもあるということです。

このような事態にならないよう、
可能な限り、社員とのコミュニケーションは絶やさないようにしましょう。

しかしその中でも押さえるべきは「経営幹部」です。
経営幹部にはことあるごとに、
自身の経営に対する考え方を伝え、
「経営幹部の仕事は、経営者の方を向いて仕事をすることだ」
ということを噛んで含んで伝え、
社員さんからの問題提起や不満が上がってきたときには、
幹部はそれを経営者の耳に入れて、経営者と一体になって解決していくのだ、
あなたの役割はそういうものなのだ、
ということをしっかり理解してもらいましょう。

どれだけ丁寧に社員全員とコミュニケーションを取っていたとしても、
社員同士でコミュケーションを取っている時間の方が圧倒的に多いのですから。

ただ、どれだけ手寧に経営幹部との関係づくりをしたとしても、
経営者自身の言っていることとやっていることが違えば
必ず社員さんの心は離れていきます。

私の経験上の反省でもありますが、
まず大前提として経営者は、
日頃の言行一致に心がけること。
それが何より大切なことなのです。

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