今日は、とある仕事で消防法関連の手続きのために消防本部へ。
その担当官の説明があまりにわかりにくくて苦悶しましたので、
わかりやすく説明するために気を付けていることを整理したいと思います。
経営者は説明力がなければならない。
仕事をしていく上で、
「わかりやすく説明する」
という能力はとても大切です。
お客様に商品・またはサービスの説明をするとき、
同僚と仕事のコミュニケーションをするとき、
部下に仕事を教えるとき、などなど、
これらがわかりやすい場合とそうでない場合とでは、
結果に大きな差が生まれます。
特に経営者は、一定の説明力を持っておく必要があります。
自分の考えている経営のあり方や、社員・組織に求めていること、
今後この会社はどこに行こうとしているのか、など
これらが社員さんに伝えようとしているのに伝わらなければ、
それは致命的です。
わかりにくい説明には、
なぜそんなにわかりにくい説明になってしまっているのかという理由が必ずあります。
逆にその裏を行けば、それは
少しでもわかりやすい説明へと変わります。
最近私も、歳を取っていくにしたがって、
どんどん昔よりも説明がヘタくそになってきているなと感じています。
自戒の念をこめて、あらためてわかりやすい説明のために大切なことを。
まず、結論を話す。
よく言われることなだけに、最もたいせつなことだろうと思います。
確かに説明の道筋を一本の線で表わすならば、
起承転結で「結」は一番最後になります。
しかし結論がどういうことなのかを分かったうえで聞く途中経過と、
結論が分かっていない途中経過では、
その理解度は全く変わってきます。
理由は言うまでもないことかと思いますが、
ちゃんと結論を聞いたうえであれば、
ある程度その道筋を自分なりに想定して聞くこともできますし、
その道筋がどこに通じるのかをわかったうえで聞くこともできますから、
頭の中で、話の道筋を立てていきやすいのです。
ゴールとなる点が見えていれば、
そこに向けてまっすぐに線をひくことができるのです。
結論を言わずにダラダラと前から順番に説明されると、途中で、
「で、結局結論はなんやねん!」
とキレそうになります。
実際にキレることはありませんが。
今日の消防本部の人はまさにこのタイプでした。
しかもその結論が、結局何を伝えたいかはっきりしないため、
なんだか何も伝わってこない。
1時間半の間に、5回くらいキレそうになりました(笑)。
長い話しになる場合には、まず全体像から。
セミナーで話すときや、多くの工程が必要な仕事を説明するときなど、
まずは全体像を説明するととてもわかりやすくなります。
前述の「結論から話す」というのと同じことなのですが、
長い説明を時系列で前から順場に話しをされても、
それがどこに辿り着くものなのかわからないと、まったく頭に入ってきません。
そしてそれが多くの工程を踏むもの、ということであれば、
最後の結論だけではなく、
最後に至るまでの途中の目標ポイントがあった方がわかりやすいのです。
A→B→C→D、というストーリーがあったときに、
Dだけを伝えてAから順に説明するのではなく、
まず、ざっくりとA→B→C→Dという概要を伝えたうえで説明をすると、
それぞれのポイントごとのゴールが見えているので、頭に入ってきやすいのです。
さらには話しの途中で、
「今、Bの話しをしていますからね」ということを時折はさむと、
聞いている方が迷子にならなくて済むのです。
相手が何を聞きたがっているのかを知る
セミナーのような複数人数が相手の場合には難しいですが、
相手が一人の場合には、これはとても大切です。
いろいろ伝えるべきことはたくさんあるが、
結局相手はその中で、どこのポイントを知りたがっているのか、知る必要があるのか、
ということです。
極端な話し、話す本人にとってはとても大切なことであったとしても、
それが相手にとって必要のないことであれば、
それは話しをする必要のないことなのです。
「いや、聞きたいのはそこじゃないねん、その部分は俺には必要ないねん」
という話しが長いと、
説明全体がわかりにくくなってしまいます。
今日の消防本部の方は、このタイプでもありました。
「いや、何度も確認している通り、そこは私には不要な情報ですから」
ということを、イヤというほど叩き込まれました。
でも不要な情報かどうかは結論まで聞かないとわからないことも多いですから、
それがわかるまでは真剣に聞いてしまうんですよね。
そして迷子になってしまうのです。
だんだん、今日のグチになってきました(笑)。
相手がどこでわかりにくくなるのかを理解する
これは頭のいい人が説明するときによく生じる問題ですが、
頭のいい人は、自分がその説明を受けたときに躓くことがなかったため、
自分が説明をする側に立たされたときに、
相手がどこで引っかかるのかが理解できないのです。
そして簡単な部分も難しい部分も
同じようなスピードと同じようなテンションで、抑揚なく伝えていくことになります。
すると多くの普通の人たちは、
「わかりにくいポイント」で躓いてしまうことになるのです。
しかし本当に頭のいい人は、
自分にとっては難しくなかったことでも、
伝える相手がどこでひっかかるだろうなということをちゃんと理解して、
そこの部分は丁寧にゆっくりしゃべるなど、
抑揚を持たせて話しをすることができます。
自分も本当に頭のいい人でありたいと思うので(笑)、結構気を付けていたつもりですが、
最近説明が下手になっているのは、歳をとっていろんな経験を積んでいく中で、
自分が昔わからなかったことやわかりにくかったことに対する感度が下がってしまっているのが、
一番大きな原因かな、と思っています。
今後も人に物事を伝えていくことが仕事である以上、
これらの部分はきっちりと押さえて、
仕事だけでなく、日常生活でも意識していければと思っています。