事業を運営・経営していく以上、
数字上の計画は必要です。
たまに必要ない、という方もおられますが。
そして、「銀行に言われたから」といって
数字の計画だけ作る人もいます。
これはこれでおかしいですね。
事業計画抜きで、数字の計画(財務計画)を作ることは
できません。
数字遊びになる
経営計画は、そもそも、
目標設定・目標管理・危機管理のために
作成するものです。
そしてそれを目に見える形にすることで、
方針として共有することができます。
そんな意味で、
経営計画を数字だけで策定することは、
そもそもおかしなことなのですが、
実際にはそんな方がおられる、
というのが実情です。
漠然とでも今期の事業を通して何を行うのか定めたうえで
結果として数字の計画だけ作成しているのであればまだしも、
方針も具体的にやることも定まっていないのに、
数字の計画が作成できるわけがないのです。
形としてとりあえず作成することはもちろんできますが、
それは単なる数字遊びに近いものとなります。
もしくはいわゆる「皮算用」か。
数字を計画する以上、その根拠がなければ、
それは計画と呼べるものではありません。
数字を定めて「頑張るぞー」だけでは、
何をすればいいのか、
自分含めて誰にもわからないのです。
事業計画を作る
会社の財務は、財務だけで独立して存在するわけでなく、
会社のあらゆる部分とつながっています。
数字は会社の経営の結果として現れるものですから当然ですが。
ですので、財務計画を立てるにあたっては、
事業計画が網羅されている形で作成されていて、
それを反映させるものである必要があります。
作成した事業計画・経営計画から
財務計画を直接作成できるの能力があれば問題ありませんが、
それが難しいようであれば、
いったん概要を簡単に整理して、
ワンクッション踏みましょう。
経営計画の構成やその内容は、
会社によって様々です。
しかし、会社全体を網羅する、ということであれば、
1.経営全体方針(事業領域等)
2.設備投資・資金調達方針
3.財務方針(売上・経費など)
4.商品方針
5.マーケ・販促方針
6.人事組織方針
に区分して整理すれば、
およそ網羅されることだろうと思います。
逆にこれらの項目について
定まっていない部分があるということは、
その部分が経営計画として欠落しているということですので、
要注意です。
事業計画から数字を考える
上記の項目にそって、
事業計画・経営計画の概要が整ったら、
それぞれの方針に掲げられている具体的施策ごとに、
お金がどのように動くのか、
ということを考えます。
計画自体が具体性の高いものになっていれば、
その計画によって、どのような数字の動きが発生するのか、
およそが掴めます。
例えば、
設備投資計画に具体性があれば、
それにいくらくらいかかるのかの想定はしているでしょうし、
その資金をどのように調達するかということも
考えていることだろうと思います。
また人事組織方針で、
新規雇用を考えているのであれば、
人件費がどの程度増えるかは概算できますし、
人材教育に力を入れるということであれば、
教育訓練のための予算をあらかじめ計画しておく必要があります。
このように、計画にそって、
どのようなお金の動きがあるのかということを
一つ一つ確認していきましょう。
その金額を把握することができれば、
かなり具体的かつ現実的な財務計画を
作成することができます。
よくわからないようであれば、
事業計画を作成して顧問税理士に相談し、
「この内容に沿った形の財務計画を一緒に作成お願いできますか」
と声をかければいいと思います。
昔ながらのおじいちゃん先生でない限り、
ちゃんと相談にのってくれると思います。
普段の顧問料が税務に関することだけなのであれば、
もちろんその分追加報酬・有料になるかもしれませんが、
もしそうだとしても、
充分に価値があることなんじゃないかと思います。
そして将来的には、
自分の会社の財務計画は、
自分自身で作成できるようになりましょう。
時代はKPIなどの目標管理・数字追及の経営から
感性を大切にした経営へとシフトしていますが、
どこまで行っても、
会社には利益が必要です。
ですから計画とその実現のための目標管理は
会社経営と切り離せないもの。
計画を正しく計画として運用するために、
ぜひ、皮算用とならない計画の作成をめざしましょう。