計画的な雇用のしかた

社員さんが10人を超えてくるような会社でも。
雇用の計画というものがない会社が多いように見受けられます。
今日はそんな、雇用計画について。

彼なりの基準と計画に基づいて、デッキが強化されていってます。

雇用計画のない問題

これは大企業でも普通に行われていることなのですが、
人が不足したら採用する、
という会社が非常に多いように思います。

以前このブログでも指摘しましたが、
景気が悪くなった→退職勧告
景気が良くなった→新卒雇用拡大
ということを大企業も繰り返しています。
新入社員は、一人前の仕事ができるようになるまで
最低でも3年はかかるでしょうから、
「今、人が必要!」というときに採用しているようでは
遅いと思うのですが、
結局そんな流れになっているため、
景気が悪くなったときに人が余って退職勧告をする
という悪循環が起きているように思います。

大企業は株主が短期的な利益を求めますから、
そうならざるをえないところがあるのでしょう。
しかし、小零細企業は違います。
経営者の一存でどのような規模の組織にするのか、
そしてそれをどのような構成で構築していくのか。
これはすべて経営者の手にゆだねられています。
そんな意味で中朝的な視野で人を育成する環境は
小零細企業の方が向いている
(少なくとも、同族企業の方が向いている)と思います。

不足したら採用する、というのは
あまりに計画的でありません。
気が付いたら会社の組織にかたよりが生じてきたりします。
経営計画を作っているのでしたら、
そこに中期計画も盛り込まれているはずです。
せっかく中期計画を作っているのでしたら、
雇用も計画しましょう。

現状を把握

計画を行うには、
なんにおいてもまずは現状把握。
会社の実情がどうなっているのかを知るところからスタートです。
エクセルで横軸に年齢、縦軸に部門、
という表を作成してみましょう。
そしてその部門ごとの年齢のセルに
人数を入れていってください。
色の濃淡で表現しても面白いかもしれません。
すると、自社の雇用バランスが一目瞭然です。

事務部門はやたら若いが、
製造部門は30台より下がめちゃ手薄、とか
製造部門をさらに細分化できる会社であれば、
その細分化した中でも同じようなバラツキが出来てくると思います。

ここから現在自社の抱えている雇用バランスの問題が
手に取るようにわかります。
まずはこのバランスがどのようになっているか、
ということを知ることが大切です。

5年後をイメージして

現状が把握出来たら次は、
その課題・問題をいかに解決するか、です。
理想としては全ての部門に、
ある程度の年齢層が均等に存在する状態がのぞましいでしょう。
すると、どこの部門にどのような社員が必要となるか、
といったことが見えてきます。

このように実際に雇用計画を立てる際には、
部門ごとの年齢分布を意識して行っていくこととなりますが、
経営計画を策定することがその前提となります。

昨今の時代の流れから考えると
10年後というのは想定しにくいかもしれませんが、
5年後はかなり高い精度で想定できると思います。
 この5年で自社はどのように成長・変化していくのか。
 どんな部分を強化し、どんな事業に軸足を移すのか。
そういった計画がないことには、
雇用の計画も立てることはできません。
ですので、まずは中期計画ありきです。

そのうえで、その事業計画から考えて、
いつ、どの部門にどんな人材が必要となるのか、
考えていきましょう。
これを先ほどの現状分析のエクセルと同じ形式で作成します。
経営計画としてはっきりするのは5年スパンくらいかもしれませんが、
雇用計画は10年くらいで作成しましょう。
日々、今から10年先の在り方は変化するでしょうが、
その変化に合わせて計画も微調整していけばいいのです。
大切なのは計画することでその「イメージ」を
明確に持っておくことだと思います。

会社の出口を意識する

将来自社はどのような会社になっていくのでしょう。
そして、まだ創業間もない会社は別としまして、
そうでない会社であれば、その会社の出口はどうなっているのでしょう。
これを意識しておく必要があります。

自社の行き着く先は、
事業承継なのか、
廃業なのか、
M&Aなのか。
これによって雇用の計画も、
雇用に対するビジョンも大きく変わってきます。

簡単でわかりやすい例としては、
自分が経営者の代で廃業する予定なのに、
自分よりも相当に若い人を採用することは原則無責任である、
というものです。
この場合は、
どこへ行っても十分に通用する人材へと育成をする、
ということ。そして、
本人の希望があれば次の職場の世話をする、
ということが前提になろうかと思います。

詳細は2021/10/6の「人の雇用は計画的に」を参考ください。

人の採用計画と育成計画はとても大切です。
どんな順序でどんな部署の人を採用し、
その人にどのように育っていただくのか。

たとえ小さな会社でも人を雇用する以上、
それくらいのことは考えられている状態にしておきましょう。

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