肩書きもブランドも信用。

初めて対峙する人、初めて買う商品、初めて買うサービス、
これらは表面上の情報でしか判断ができないため、
あらかじめ表面から判断できる信用と、第一印象がとても大切です。

「税理士」という肩書き

現在京丹後市にて地域活性化事業を展開するにあたり、
新たな拠点となる場所を探しています。
親しくなった地元に顔の広い方の協力の下、空き家を紹介してもらい
そのオーナーと会って話しをするのですが、
私がもともと少しイカツイ感じですので、
人にもよりますが、最初ものすごく警戒されることがあります。

基本、京丹後市の仕事は「税理士事務所」としての業務には関係ありませので、
税理士法人としての名刺はあまり配っていません。
そういった固定概念を排除して人間関係を持ちたいという意図からです。

しかしまさに今朝がそうだったのですが、
最初は私に対して
「こいつどこの何者や」
という警戒心がありありでした。
そんなときには税理士としての名刺を見せると、
一瞬で、その警戒感が薄れるのが見て取れることがあります。

このときばかりは「税理士」という肩書きの信用度の高さに驚かされますし、
この「税理士」という資格をそこまで信用の高いものへと構築してくださった
先人には、感謝です。

正直「税理士」というだけでそこまで信用するのもどうかな、と思いますが(笑)。

いずれにしても人は、
本当にその人がどうなのか、ということに関係なく、
表面上の情報で結構その人のことを判断してしまいます。
初対面のような、元々情報量の少ないときはなおのこと、なのでしょう。

今日はおかげさまでその後の対話をスムーズに進めることができました。
その一方で、その信用度の強さに甘えてはいかんな、ということを
改めて感じた瞬間でもありました。

「信用」はゲタをはかせてくれる

このように肩書きは、
「信用」を与えてくれるものです。
そして信用というのはどういう役割を果たしてくれるかというと、
ある種の「下駄」のようなものを履かせてくれるイメージです。

例えば自分自身の実力が5だとします。
ただその実力は最初から相手に伝わりませんから、
基本「ゼロ」からのスタートです。
実力をわかってもらうためには、少しずつ実績を積んで、
それが相手に理解してもらうことで数値が1ずつ積み上がっていって、
それが5に到達したときに、ちゃんと自分のことを正しく評価してくれた、
という状態になります。

しかし、「信用」というものがあると違います。
例えばその「信用」が3の力を持っていたとすると、
最初、いきなり3からスタートできるのです。
そしてその後実力を示していくことで、1ずつスコアを積み重ねて、
最終的に8までスコアを積み重ねられるイメージです。

これがまさに「下駄」をはいている状態。
いきなり下駄の高さ分、高いところからスタートすることができて、
しかも最終的にも下駄の高さのぶんだけ、
高いところに到達できるのです。

そして積み上がっていく実力部分が多ければ多いほど、
徐々にその下駄の効能は下がってきます。
3の下駄に200の実力を詰んで203と、下駄を履いていない200では、
それほど変わらないですよね。

めちゃ能力の高いコンサルタントと、
めちゃ能力の高い税理士の資格を持ったコンサルタントでは、
それほど評価が変わらない、ということですね。

この場合、「税理士」であることがむしろジャマになってくるケースもありますが。

「ブランド」も一種の肩書き

この表面上の「信用」で肩書き以外のものって何かあるかな、と考えてみると、
「ブランド」というのがまさにこれにあたります。

極端な例をあげると、
「トヨタの車」というだけで、実際にその車に乗っていなくても
ある程度の性能が担保されていることがわかりますよね。

これが、トヨタブランドのもつ「信用」です。

このようにブランドというものは、ある種「肩書き」としての役割を果たし、
信用というものを生み出してくれます。

そして信用が生まれた結果として、
下駄を履かせてくれるのです。

その下駄の高さは、そのブランドの持っている信用力によって決まってくる。
そんなイメージです。

ブランド力があると、そのブランドを知っている人に対して最初から、
その商品・サービスに対する信用を与えてくれるのです。

そして同じ実力を持っている商品・サービスと比較して、
ブランド力のある商品の方が「価値あり」と判断してくれるのです。

こんなにありがたいことはありませんよね。
先ほどのトヨタの例は極端すぎるものとしても、
小零細企業でも一定の「ブランド力」というものを保持することは
極めて大切です。

ブランド力という信用そのものが価値ですから、
それを付加価値として価格に転嫁することができる、
つまり高く販売することができるのです。

大企業のような、日本中の誰もが知っているような普遍性は不要です。
自分の提供したい価値を正しく理解してくれる人に対して、
その価値が正しく伝わればいいのです。

そんな意味で、どんな小零細企業でも、ブランディングは可能です。
自社の発信したい・伝えたい内容を明確にして、
それが正しく伝わるように整えて、
それを届けたい人がいるであろう先に、発信しまくる、ということです。

その内容がブレていると、
それは伝えたいことが正しく伝わることはありません。
ですのでまずは、届けたい言葉(コンセプト)を整えましょう。
そしてその言葉の意味するところをちゃんと説明できるようにしましょう。

さらには自社から発信されるものの全てが、
そのコンセプトに則ったものにしましょう。

これがブランディング最初の最初の入口なのです。

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