もっと自由になるために。

自分一人で仕事をされている人や、小零細企業の経営者は、
もっと自由であっていいんじゃないかと思います。
せっかくそうなれる立場にあるのですから。

独自性あるものを。

下請けという負のスパイラル。

小零細企業の経営者やフリーランスが自由でない一番の理由は、
下請けに甘んじていることが大きいんじゃないかと思います。

人によっては、元々大きな組織の中で勤務をしていて、
なかなか自分の思ったことが実現できないことから
組織を飛び出して独立したはいいものの、
結局大企業の下請けに甘んじてしまい、
自由を求めて飛び立ったけれども却って不自由になってしまった、
という方もおられるでしょう。

企業の下請けは、
基本的に取引先の求めるものを、その求めに応じて製作するというパターンや、
特定の取引先から依頼を受けてサービスを提供する、というパターンが
あるかと思います。

いずれも多くの場合主導権はこちらになく、
主導権がないからこそ、
取引先は値段を叩いてきます。

そして多くの下請けは、これに抗う術を持っていません。

結果として儲からない。

儲からないからといって値段を上げると
取引量を減らされて、もっと儲からない。
だからこそ、その取引先の言うままの価格で販売することになります。

そしてその場合、利幅は非常に薄いですから、
安価大量生産に不向きな小零細企業は、
忙しいばかりで全く利益が出ない(むしろ赤字)状態に陥ります。

その状況からなんとか脱却したいと思うんだけれども、
日々の仕事が忙しすぎて、そのための時間を確保することができない・・・

こんな負のスパイラルに陥ってしまっている会社、
結構あるんじゃないかと思います。

下請けからの脱却を図る

一度このような負のスパイラルに陥ると、
そこから脱却するのは簡単なことではありません。

末期的状態にある場合には、忙しすぎて思考停止状態に陥り、
とにかく今の仕事をよりたくさんこなすことで、
売上を、利益を稼ぎ出そうとあがいてしまいます。

ただそこで冷静になっていただきたい。
その延長線上に、未来はありますでしょうか?

ありません。

断言できます。
ありません。

まずはその商品の原価計算を正しく行ってみてください。
原価計算、というと「難しいんじゃないの?」と思われる方もたまにいらっしゃいますが、
その商品にかかっている直接的な原価を積み上げるだけのことですから、
なんら難しいことではありません。

計算ができたら販売金額から差し引いたものが、
その商品の粗利益です。
そしてその商品を何人の人がどれだけの時間関わることで
いくつ製造できるのか、ということがわかれば、
人一人当たり・一時間当たりの、その商品の粗利益が計算できます。

この「一人当たり一時間当たり粗利益」が、2000円を下回ってくるようだと、
すでにその商品販売は会社に貢献しないと考えてもらって
構わないかと思います。

なぜなら、その2000円のなかから人件費を支払うわけですから、
人件費以外にも経費が掛かることを考えると、
時給1000円支払うと利益が出ないようになってしまうのです。

パートさんだけでやったとしても利益は出ませんし、
そもそもそれ以上の時給で給料を支払うことが今後もできない、
そんなビジネスモデルになってしまっている、
ということです。

つまりこの延長線上に未来はない、
ということになるのです。
少なくともこの金額が5000円を超えている必要があると思いますし、
もっと言うと10000円以上というのが理想的です。

こんな状態を下請けの立場のままつくることは、現実的ではありません。
ですからなんとしてもこの状態から脱却しないといかんのです。

自らの商品を持ち、価格決定権を持つ。

下請けの大きな問題は先の例にあるように、
自分自身に価格決定権がないところにあります。

仮に下請けであったとしても、
その取り扱っている商品が特殊であったり、
よそでは実現できないような技術力を有していたり、
他の会社では困難な柔軟性があったりなどで、
100%ではないにしても
価格決定権の一部をこちらが有している場合には、問題ありません。

逆にそういったものがない場合には、
自らの独自性のある商品を持ち、
それを消費者に直接販売する、
などといったことを考える必要があります。

これまでずっと下請け体質で、
取引先に言われたものを何も考えずに作り続けてきた会社は、
自分自身で商品を考えて開発する、という意識変革が
難しかったりします。

しかし「うちの会社には無理」とか言っていても、
その先に待ち受けるのは永遠の搾取か倒産かしかありえませんから、
厳しいようですが言い訳せずに
チャレンジするしかないのです。

自分自身で生み出す力がなかったり、
アイデア力が不足しているのであれば、
自社のことを良く知っている人に自社の強みが何なのかということを尋ねて、
まずは自社の強みを明確にし、
そのうえでその強みを軸にした新しい取り組みとしてどんなことができるのか、
広くいろんな人に訊いてみたらいいんじゃないかと思います。

わからなければ人に訊く。
これは恥ずかしいことでも何でもありません。

そしていろいろ取り組んで、「この方向だ!」というのが見えてきたら、
それを徹底的に深堀していきましょう。

もちろん良い商品ができたら
それだけで売れるというほど甘いものではありません。
それをどのように販売していくのか、というのはここでは語りきれませんが、
消費者にとって魅力的な独自性ある高品質の商品を作り上げることが、
下請けから脱却する入口であることは間違いありません。

下請けで儲からないのになぜ下請けから抜け出そうとしないのか。
それはある意味その状態が楽だから、とも言えます。

それだけにその下請けスパイラルから抜け出すための入口に
指をかけるのは苦労もあるでしょう。

しかし残念ながらその先にしか未来はありません。
今のその事業のあり方は、大きく間違っている。
間違っているからには、
方向を変えなければならないのです。

問答無用。

いろんな人の知恵を借りつつも、
自らしっかりと軸をもって、
ブレない、主体性をもった経営に軸足を移していきましょう!

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