自分の家庭の将来の財産状態は大丈夫だろうか、
老後資金は大丈夫だろうか、
そんな不安が頭をもたげたら、
Excelで時系列のライフプラン表を作成するのがオススメめです。
作成するときの方針
将来に対して漠然とした不安が生じたときには、
その不安の正体がどういったものか、ということを
明らかにすることが大切です。
ライフプランを実際に数字で作成してみると、
自分が何歳の時にいくらぐらいの資産形成ができているのかということが
具体的に数字で表現されることで、
結果がよければそれでよし、
もし悪くてもそれに対してどうしよう、という対策をすることができます。
そしてこの表を作成するときに
自分の将来の収入を
目標値として設定して作成するのか
将来の事はわからないから最悪のことを想定して作成するのか
これによって全く違ったものができあがります。
経営計画などであれば、あえて高めの目標を設定して、
頑張ってそれを目指す、ということになるかもしれません。
しかしライフプランはどちらかというと
「リスクマネジメント」としての性格が強いものですから、
ある程度「最悪のケース」をイメージしながら
作成することをオススメします。
すくなくとも楽観的な感覚で作成すると
楽観的な結果が現れるだけですので、
本来の目的(=うちの家計は大丈夫か、の確認)を果たすものに
ならないんじゃないかと思うのです。
「自分は楽観的」という自覚のある人は、厳しめに作る意識を持ちましょう。
どのような形式で作成するのか
ライフプラン表の形式ですが、
基本的には横軸に時系列で作成するのがベストでしょう。
まず最初に一番上の行に「年」を入れます。
そしてその下の行には、自分自身の年齢を。
それ以降は、家族一人一人の年齢を入れていきます。
年齢を入れるのは2つの目的があって、
一つは出来上がったライフプランで、
家族全体の年齢がいくつのときにどんな状態になっているのか、
というのが一目でわかること。
そして、もう一つは、
収入や支出を考えるにあたって、
それぞれの年齢ならではのことがあるかと思います。
具体的には、自分の退職であったり、子供の入学であったり。
家族全員の年齢を表に記載することで、
そういった状況を的確に表に反映することができるのです。
そして以降は
・収入
・支出
・資金残高
ということになるでしょう。
(前年の資金残高)+(その年の収入合計)ー(その年の支出合計)
=その年の資金残高
となるように算式を組んでおくと、便利です。
というか、エクセルで作成しているわけですから、
当然そうされるでしょうが。
どのような収入があるのか
次にどのような収入があるのか。
収入の欄を「収入」という一行で表現しても悪くはないのですが、
やはりその収入の種類ごとにある程度分けておいた方が、
ライフプラン表としてはわかりやすいものになります。
また、あとあと見返した時に
「この年に収入が増減しているのは、何が理由だっけ?」
ということがすぐわかります。
・本業収入
・副業収入(不動産・投資その他の副業)
・年金収入
・その他収入
くらいにわけるのが基本的かと思います。
それ以上は、各自の趣味趣向で項目を増やしてください。
出来上がっているアプリとかではなく、エクセルで一から作成するのは、
そういった自由度の高さが大きなメリットです。
そして項目が定まったら、
それぞれの収入金額を、年ごとに入力していきます。
退職すれば本業収入は激減またはゼロになり、
その年だけ退職金が「その他収入」に入るでしょう。
そして一定の年齢が来れば年金収入がスタートします。
年金収入の金額は、年金額概算サイトがありますので、そちらに情報入力して
算出される概算額を参考にすると良いでしょう。
どのような支出が考えられるのか
次に、どのような支出が考えられるか、
ということです。
これも収入同様、ある程度項目を分けるのがオススメです。
というか、こちらは絶対に分けましょう。
でないと、あとで振り返ったときにわけわからなくなりますし、
後から修正、とかいうことが困難になります。
どのような分け方がいいかというと、
まずは三大支出ですね。
・住宅費(住宅ローン含む)
・保険料(掛捨て・積み立て、両方)
・教育費(学費、塾、入学金など)
そしてそれ以外の大きな支出としては、
・税金、社会保険
・車両(購入、車検)
・子供の結婚費用
・住宅の大規模修繕
といったところでしょうか。
そして最後に、
・その他生活費(食費、その他もろもろ)
「家の修理なんていつするかわからない」とか
「子供なんていつ結婚するかわからない」とか
疑問点はあるでしょうが、
そんなものはだいたいでいいのです。
あくまで計画。あくまで仮説。
そのような想定をしたときに、どうなるか、という結果がわかれば
それで良いのです。
極端な話し本業収入だってどうなるかわからないわけですから、
あまり細かいところにこだわる必要はありません。
このように支出についても項目が出そろったところで、
それぞれの金額を年ごとに入れていきます。
教育費は子供が国公立に行くか私立に行くかで大きく結果に影響しますから
ある程度決まっている部分以外は、私立で計算しておくと安全です。
結果確認!
このように作成してみて、あとは最初の年の「年初資金残高」を入力すれば、
自動的に毎年の資金残高が見えてきます。
思いっきり「悲観的に」作成をすると、
資金がマイナスになることもあるかもしれません。
そういう場合にはどうしたらいいかというと、非常にシンプルな話で、
収入を増やすか、支出を減らすかしかありません。
収入は自分だけでコントロールしがたい部分もありますので、
まずは支出を減らすところから考えるのがセオリーです。
このように、
安心できる資金状態を作るためには、日々どのような生活をしないといけないか、
そしてどのような生活をするとやっていけるのか、
ということがはっきりしますので、
最初に抱いていた不安は消し飛ぶだろうと思います。
または「危機感」に生まれ変わっているだろうと思います。
一度「最悪パターン」でライフプランを作成したら、
その後余力があれば、
「楽観的パターン」も作成してみるのもオススメです。
これだけ収益があがることで、資金残高がこんなにも変わってくるのか!
というのが目に見えてわかりますので、
「よし、これを目指して頑張ろう!」
というワクワクが生まれてきます。
「最悪パターン」で不安を取り除き、
「楽観パターン」で生きる活力を生む。
ぜひ一度、自力で作成してみましょう。
そして身近なFPや税理士に見てもらったらいいかと思います。
ちなみに彼らはその道のプロなので、
アドバイスをもらう以上、ちゃんと報酬をお支払いしましょうね(笑)。