見込み客をつくる③

前回の「見込み客をつくる②」の続きです。
過去記事は以下のリンクよりどうぞ。
見込み客をつくる
見込み客をつくる②

目標設定を行う

これまで、消費者にどのようにして見込み客になっていただくのか、
というその流入経路の構築をしてきました。

そしてその経路の流れにそってステップをあがっていただくために、
それぞれの過程でどのような取り組みをすべきなのか、
ということを考えてきました。

最後は、目標の設定です。

私たちの行っていることは、ボランティアではなく、
「事業」です。
ですから、顧客を創造して利益を生み出すことが、
必須となります。

そうなると必然的に、
その事業を維持するために必要な利益というものが出てきますし、
事業を発展させるために目標とすべき売上というものも出てきます。

目標とすべき売上を達成するために、
という話しになったときに
私たちが考えるべきことは、
これをノルマ化することではありません。

前回・前々回の流れで、
「見込顧客を創り出すために、私たちはどのような活動をすべきか」
という落とし込みができていますから、
それが正しく理解できていれば、
目標とすべき売上を達成するためにどんな活動を行うのか、という、
行動レベルで考えることができるはずです。

その売上を達成するためには、
どの広報・営業活動を、
どれだけの量おこなって、
それによりそれぞれの過程で
どのような成果を生み出そうとするのか、
ということです。

たとえば
「銀行の紹介というチャネルから、年間3件の見込み客をつくる」
という目標を達成するために、
「銀行の担当に、一ヶ月に4回アプローチする」
という行動レベルの目標を設定するのです。

そして、その行動レベルの目標を設定したら、
その後に追いかけるのは、
「3件の見込み客をつくる」ということではなく、
目標として設定した行動ができているか、つまり、
「ちゃんと銀行の担当につき4回アプローチできている」
ということになるのです。

営業も、仕組みである

これまでの2回の内容から、
最終的に行動レベルの目標にまで落とし込んでみると、
自社の広告も販促も営業も、
これまで案外いきあたりばったりであったことに
気付かされたのではないかと思います。

いきあたりばったりとまでは言わずとも、
そこまで戦略的でなかったのではないでしょうか。

会社に発生する問題の半分以上は、
仕組みの問題です。
問題が発生したときには、
それをモグラタタキのように
その都度対処するということではなく、
今後発生しないようにするには?という視点で、
仕組みを構築して解決していくことが必要です。

広報・営業も同じこと。

単発的に取り組むのではなく、
仕組みとして構築して、
それを積み重ねていくことによって、
より効果の高い、効率的な営業活動に改善していくことが
可能となるのです。

そして営業を仕組化することには
これ以外にも次のようなメリットがあります。

仕組みの効果①~論理的思考

広報・営業活動を仕組化する、ということは、
見込顧客をつくっていくにあたり、
論理的思考に基づいて、その活動を構築していくということです。

前回・前々回を通して紹介した内容としては、
消費者が見込み客に至るまでの過程を分解し、
それを時系列に並べて、
消費者にそのステップをあがってきてもらうために
それぞれの過程で具体的にどういったことを行い、
どのような成果を出すのか
ということでした。

このようにロジカルな考え方に基づいて
行動レベルでの目標を設定することで、
その結果を論理的に検証することができるようになります。

前述の「銀行からの紹介」を例にあげると、
年間3件の見込み客をこのチャネルからつくりだすために、
月に4回、銀行の担当者にアプローチをする、と定めました。
そしてそのアプローチを計画通り毎月4回やってきたとして、
結果として年間3件ペースの見込が生み出せていないとなったときに、
どのように考えるか、ということです。

このとき考えるべきは、
「じゃあちょっとムリしてでも頑張って見込を確保しよう!」
という根性論ではなく、
「量」と「質」です。

まず「量」の視点では、
月に4回では少なかったから、これを5回にしてみよう、
ということです。

そして「質」という観点では、
もっと銀行の担当者が紹介しやすくなるよう、こんなツールを作成してみよう、
ということです。

営業会議ではこのように、
目標値と実績をテーブルにあげて、
それに対してどのように改善するのか、
ということを議論し、決定するのです。

そうやって決定したことを実行し、
また次の営業会議で実績を披露して議論する。

これが正しいPDCAですよね。

仕組みの効果②~人に依存しない

営業活動というのは、
とかくマンパワーに依存しがちです。

当然のようにセンスの差はありますから、
具体的な営業の仕組みがない状態で
「さぁ、見込を獲得しておいで!」となると、
その結果はそれぞれのセンス頼み、
ということになってしまいます。

しかし広報・営業活動を仕組みとして構築していくと、
その中で行うべきことは具体的に定まっていますから、
センスのある人とない人との間で取り組むべきコトの差が埋まります。

もちろんそれでも、残念ながら
ある程度の差は生じてくるものですが、
それをセンスで片付けるのではなく、
これも営業会議でもって、
うまくいっている人はどのようなことを行っているのか
ということを明らかにして、
その内容を共有することで、
「センス」という名の暗黙知を
形式知にしていくことができるようになるのです。

仕組みの効果③~チームで取り組める

営業というのはとかく、
ノルマになりがちです。

「うちはノルマを設定してないよ!」
といったところで、
やはり成果の出る人出ない人が生じて、
成果の出ていない人は
「なんで成果が出てないのだ」
と個人攻撃されることになります。

これではノルマとなんら変わりません。

しかし広報・営業活動を仕組みとすることで、
結果が出なかったときに、
それを人の問題ではなく、
仕組みの問題として考えられるようになるのです。

「この目標を達成するために、具体的にこのような活動を、こんな風に、これだけ行おう!」

と定めて、結果として目標数値が達成されなければ、それは、
その達成できなかった個人の問題ではなく、
その行動計画ではそもそも達成できなかったんだ、
という仕組みの問題となります。

すると、
「じゃあ目標を達成するためには、今の行動計画を、
質と量の両面で、どのように改善すべきなのか」
という建設的な議論を行うことができるようになります。

つまり組織の成果に対して、
個人の力ではなくチームとして取り組むことができるようになるのです。

営業担当が責任をもつのは、
やるべきことをちゃんとやったか、ということであって、
その上で成果につながるかどうかは、
チーム全体の責任であり、
チーム全体として取り組むべき問題なのです。

営業担当も責任者も、
精神的に安心・安全なところに身を置いて
前向きに仕事に取り組むことが出来るようになるはずです。

このように、前述の通り会社の問題・人の問題は
その半分以上が「仕組みの問題」です。

少し難しい話しかもしれませんが、
ぜひ一度、自社の広報・営業活動をロジカルに組み立てて仕組み化し、
チームとして目標設定し、
チームとしてPDCAに取り組んでいただけたらと思います。

目標達成への道筋も描きやすくなり、
きっと成果もこれまで以上にあがるんじゃないかと思います。

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