限界まで仕事をしない。

経営者(一人事業主を含む)は、社員さんと違って労働基準法は関係なく、
逆に順守すべき側ですので、ある意味働きたい放題です。
しかし限界まで仕事をするのは、良くないことばかり。

経営者の場合、気が付くとそういう状況に追い込まれていることもありますが、
是が非でもその状況から抜け出していただくために、
あたらめて仕事をし過ぎることのデメリットを整理してみました。

同じ仕事をするにも、たまにはこんな環境でゆったり仕事をしたいものです。

ストレスがたまってしょうがない。

まずは間違いなくこれです。
経営者は自分の仕事をすることが当たり前と思っていますから、
追い込まれてしまっても案外それを「苦労」と捉えることなく
仕事で埋め尽くされていることがよくあります。

しかし仕事(後述するように、すべてがそうではありませんが)は基本、
人の期待に応えることが求められますから一定のストレスが必ず伴います。
これが少しずつ少しずつ蓄積されていきますので、
ずっと起きてる時間のほとんどを仕事で埋め尽くしてしまうことは
絶対によくありません。

ストレスがたまると体調にも悪影響を及ぼしますし、
仕事上の間違いの元にもなります。

たまには自分自身を仕事から解放する瞬間が、
絶対に必要です。

そんな時間を作っても、その間仕事のことばかり考えて心配ごとばかりになるようであれば、
それは相当重症化していますから、根本的に仕事のあり方を見直す必要ありです。

チャンスをつかまえられない。

経営をしていると、目の前をいろんなチャンス(またはそう思えるもの)が
通り過ぎていきます。

チャンスにもいろいろあります。
新しいビジネスを生み出す芽であったり、
今やっている事業で、とても良い仕事が舞い込んできたり。

そして、その通り過ぎていくもののうち、
どれを捕まえるかは自分次第です。

しかし現状仕事がいっぱいで余裕がない状態であると、
そのチャンスのしっぽをつかみ取ることができません。

チャンスというものは間違いなく全員の前を均等に通り過ぎています。
また、そういうものだと考えておくべきです。
「これはつかみ取らねば!」というものが通り過ぎたときにビシッと捕まえられるよう、
仕事のゆとりをもっておきましょう。

それが事業を成長させる次の芽になりますし、
事業に高収益をもたらしてくれます。

仕事がいっぱい過ぎて余裕がなくて、
そのチャンスの存在にすら気が付くことができないのは論外ですからね。

今の仕事を磨き上げることができない

今やっている仕事を今のレベルで継続していてずっとメシが食っていけるほど、
世の中甘くはないですよね。
我々の業界でも、10年前から時間の流れが止まってしまっているような人もいますが、
これは要は成長していないということであって、大問題でしかありません。

どんな事業であっても、その事業領域で勝負していくためには、
「強みで戦う」ということがセオリーです。
その強みも磨き上げる時間がなく放置されておくと、
どんどんと陳腐化していきます。
あっというまにその強みであったはずのものは強みでも何でもなくなり、
その会社は羽ばたくための大きな翼を失ってしまいます。

ですから、今の強みを磨き上げるため、
そしてそれをさらに発展させて更に新たな強みを生み出すために、
時間の余裕を常に持っておく必要があります。

目の前の仕事に追われてばかりいると、その時点で成長が止まってしまうのです。

人生は仕事だけではない

仕事は人生ですが、人生は仕事ではありません。
当然のことですが。

仕事以外にもやりたいこと、ありますよね。
そういったやりたいことを黙殺して仕事ばかりしていても、
それは到底豊かな人生とは言えないと思うのです。

本気で「仕事が趣味なんだよ」という人は、それで構わないと思います。
仕事をしている瞬間が、楽しくて楽しくてしょうがない。
うまくいかないことも多いけれども、それも含めて喜びでしかない。
そんな、仕事自体が道楽化している状態が本当は理想なのかもしれません。

ただし自己啓発などを受けて、人工的にこんな考えになっている人は大きな問題があります。
心の奥底に蓄積されたストレスがそのうちオーバーフローして、
心を病んでしまう恐れがありますし、
実際そういう人を何人か見てきています。

思い込みと洗脳で「仕事が趣味」なんてことを言い出すのは絶対にやめましょう。

破綻ルートからなんとか脱却を!

いろいろ書いてきましたが、経営者の中には、
「そんなこと言ったって、毎日朝から晩まで仕事を続けないと、経営を維持できないんだよ」
という方もいらっしゃると思います。

しかし、前述したように、そんなことをしている間に
どんどんその会社は競争力を失っていっているのです。
その先は今よりもヒドイ低収益化と、破綻です。

この「破綻」というのは、金銭的なものと体力的なもの両方の意味を含み、
そのどちらが早いか、ということです。

現段階で朝から晩まで仕事をしても赤字であるというのは、
事業のあり方を根本的に大きく間違えています。
その延長線上に事業の改善はあり得ませんから、
なんとか一日30分または1週間のうち2時間でもいいです、なんとか時間を作って、
その状態から脱却するための方策を考えましょう。

そんな状態になっている時点で収益力は相当に落ちてますから、
やめてしまってもさほど影響のない仕事もきっとあるかと思います。

分析、というほど大層なものでなくとも、
ちゃんと数字で考えれば、どの仕事がそれに該当するかということはわかります。
そういう仕事を見つけ出して、さっさとやめてしまいましょう。
それをやめて残業代を支払うのをやめたら、
時間ができただけでなく、却って儲かるようになった、
などという話しは普通にあることです。

まずは今ある姿から別の方向に一歩足を踏み出すこと。
破綻ルートから抜け出す道は、その一歩の先にしかありません。

タイトルとURLをコピーしました