ストレスを減らす、ストレスから逃げる②

今日は昨日の続き。
普通の人よりも遥かに多くのものを背負って生きている、経営者。
病んでしまいそうになったら、いかに回避するか。
そんな姿勢も、結構大切です。
今回も、過去記事に大幅に加筆修正しています。

ストレスから逃げる!

一度病んでしまうと、そこから抜け出すことはなかなか困難になります。
日々なかなかやる気が出てこない。
やらなければいけないことはわかっているが、体が動かない。
そしてそんな自分に自己嫌悪、というマイナススパイラルに落ち込みます。

こんな状態であっても、まだ中途半端にパワーの残っている人の中には、
自分のやる気を呼び起こすために自己啓発系の本を読んだり
セミナーを受けたりして、
「自分のやる気を引き出すポイントはどこだ!」と
探したりする方もおられます。

しかしこれでそのポイントが見つかることはないだろう、と
私は思います。
なぜなら行動のベクトルが逆向きだから。

やる気が起きないのは、いろんなストレスと精神的な「がんじがらめ」で
心が弱ってしまった結果、そのような状態になっています。
つまり体と心が「あなたは疲れているから、休め」と叫んでいるのです。

それなのにさらに自分を鼓舞させようとしても、
それはさらに心が疲れるだけで、
より悪い状態に進行していくのではないかと思います。

病んでいるときに、自分のうえにさらにやるべきこと・考えるべきことを
上乗せしてはいけません。
逆に自分の上に乗っかっているもの(=ストレス)を
取り除いていくことが大切だと考えます。

自分にストレスをかけているものはなんでしょう?
それらから徹底的に逃げてください。
逃げることは恥ずかしいことでもなんでもありません。

この世は自分を追い掛け回すものばかり

今や小学生でも持っている携帯電話(スマホ)。
もちろんメチャ便利になって、様々な恩恵を被っているわけですが、
心が病んでいる局面では、不幸の根源でしかありません。
自分のペースを考えずどんどん割り込んでくるからです。

相手に合わせて携帯にでるのはやめましょう。
こういった小さなところから「捨て始める」のです。

携帯は「いつでも電話に出られるツール」ではなく、
「いつでもこちらから電話ができるツール」
です。
わがままな発想ですが、
心を病んでしまうような真面目な人たちは
これくらいでちょうどいいと思います。

そして世の中にあふれているSNS。
発信ツールとしては非常にすぐれたものですが、
様々な人たちが
「私、こんなことやったよ!」
と自己顕示欲を晒してきます。

これを読んでいると
「みんなこんなに頑張っているのに、自分は何をしているんだろう」
と、どんどん心がしぼんでいきます。

果たしてあなたにSNSは必要ですか?
私の経験上、ある日突然SNSに一切かかわらないようにしても、
全く人生に影響はありませんでした。
むしろ清々しい気分になったことを覚えています。

SNSは人によってはストレスの対象でしかありません。
これに共感した方は、即、捨てましょう。
また必要になったら始めたらいいんです。

私は今でもフェイスブックは一切見ません。
でもメッセンジャーは便利なのでアプリとしてメッセンジャーだけは残しています。

やることリストより、やらないことリスト

先ほど書いた通り、
心が疲れて病んでしまったり病みかけていたりしているときには、
ストレスを取り除いていくことが大切です。
まじめな人や、周囲からの依頼を断り切れず抱えてしまう人ほど
このような状態に陥りやすい。

「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」
「こうあるべきだ」
という思考で
自分自身を追い込んで行く傾向があります。

ですから、意識して「これはやらない」と
割り切ってしまう必要があります。

そこで「やることリスト」ではなく、
「やらないことリスト」を作成しましょう。
・本来やらない方がいいけど、うっかりやってしまうこと。
・本当はやりたくないけど、頼まれたりすると仕方ないからやってしまうようなこと。
こういったことをやらないようにするためです。

私の作成しているものは、だいたい30か条くらいでできています。
そして毎日朝起きたら、それに目を通すことが私のルーチンです。
自分が本当にやらないといけないこと、
やりたいことはなんなのかをしっかり意識することができるようになりました。
これはオススメです。

ぜひ自分の
「本当はやりたくないこと」
「これまで引き受けて後悔してしまったこと」と
向き合ってください。

理解してくれる共感者をつくる

これは可能であれば、ということですが、
本当に心の底から信頼できる人で、
ちゃんと自分の状況を正しく理解してくれる人が周囲にいるならば、
あなたはラッキーです。

その方に状況を打ち明けて頼りましょう。
アドバイスをもらうのではなく、
とにかく話しを聞いてくれる人です。

ですから中途半端に信頼できる人はNGです。
あくまで「心の底から」信頼できる人。

そうでないと打ち明けることもできないですし、
打ち明けたくもないでしょうし。

人は社会性のある生き物ですから、
やはり人とのつながりの中で生きています。
自分一人でもんもんと抱え込んでしまうと
さらに深いところへはまり込んでしまう危険もあります。

私はかつて、5人そういう人を作りました。
そしてそれぞれに
「しんどくなったら連絡するので、申し訳ないけど付き合ってね」
と事前に伝えました。

家族はこの中に含まれていません。
やっぱりあんまり心配かけたくないという思いが先立って、
なかなか家族にすべて打ち明けるのって難しいんですよね。

とにかく、捨てる(笑)

とにかく、自由は「捨てること」からはじまります。
自分にとって必要なものと思っていたことが、実際捨ててみると
「あれ?これ、ない方が楽ちんやん」
というのが結構あります。

捨ててみてからでないと、なかなか気が付かないものです。
捨てた後に実際に捨てない方が良かったなぁと思ったら、
その時もう一度拾えばいいだけのことだろうと思います。
先ほどのFacebookの話など、まさにそれです。

そうやって一つ一つ体から剝がしとって、
少しずつ楽になっていきましょう。

そしてせっかく取り除いたからには、
その痕を安易に他のもので埋めないようにしましょう。
精神的な意味でも時間的な意味でも。

せっかく生まれたほんの少しの自由な時間と自由な気持ち。
これはそのまま大切にとっておいて、
「本当に」自分にとって大切なことのために使いましょう。

追い込まれてからではなく、
経営者は常にこういう思考を持っておく必要があると思います。

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