今日、今年の確定申告の提出が完了しました。製本・資料返却などはまだですが。
今年初めて取り組んだことなど、まとめてみました。
業界ならではのことですが、いろんなケースに当てはめることもできると思いますので、
ぜひお付き合いくださいませ。
日常業務にもイノベーションを
確定申告は、毎年この時期に訪れる、
私たちの業界の一大イベントです。
基本的に出来る限り繁忙期をなくしていくことを目指していますので、
おそらく他の事務所に比べて相当に負荷は少ないだろうと思います。
それでも日常業務のボリュームはそのままに、その上に乗っかってきますので、
やはり一定のインパクトはあるものです。
毎年やっていることが、前年と同じでは成長がありませんので、
ここになにがしかのイノベーションを起こすことが大切だと思ってやっています。
一つ一つは小さなことかもしれませんが、それが積み重なって業務効率化を生み出し、
それによってミスや間違いも少なくすることができます。
少し前にGoogle Spreadsheetが思った以上に優秀であることに気が付きましたので、
今年の変化はその辺がメインになりました。
税理士業務の円滑化システムなどは、我々の業界で開発され販売されているものもありますが、
やはり経費がかかるということと、
開発側の型にはまっていて痒いところに手が届かないことも多いので、
こういったものは自分達が運用したいように、
自分たちで作成して改善していくのが一番であると思っています。
手間はかかりますが、それを十分に回収できるだけの効果はあります。
そのノウハウは他にもちゃんと生きてきますし。
工程書をスプレッドシート化
確定申告業務にあたって、
顧問先ごとにどのような資料の状況となっていて、現在どの工程まで進んでいるか、
ということをまとめた工程書を顧問先ごとに作成し、
工程管理・情報管理を行っています。
この工程書、以前からペーパレス化はされていましたが、
そのペーパレスの書類に直接PCで書き込んだりチェックをつけたり、
という作業でしたので、
そのファイルを探す
→ファイルを開く
→記入する
→自分の工程が終わったら保存して次の担当者のフォルダへ
という流れになっていて、やはり無駄が多いな、と思っていました。
これをSpreadSheetに一元化。
一覧から顧問先の横にあるボタンをクリックしたら
その顧問先の工程書にジャンプするというものを作成しました。
このSpreadSheetは常にPC上に開くようにしていますので、
ファイルを探して選んでそれを開く、というまでのストレスから解放され、
工程完了後にファイルを保存して次の担当者のフォルダにファイルを移動させる、
という手間がなくなりました。
小さなことですが、この作業を一つの顧問先だけで15回~20回くらい行うことになりますから、
積み重ねると結構なものです。
何よりもそういったストレスから解放されたことが大きかったです。
全体進捗をスプレッドシートで自動化
確定申告のように、
同じ工程の業務を数多くこなす業務については、
全体がどの程度進んでいるのかという全体進捗の把握がとても大切です。
どの顧問先がどの程度進んでいて、どこが遅れていて、
どの仕事をいつまでにしなければいけないのか。
これを一目で把握することが必要なのです。
これまで、上記の工程書とは別にSpreadSheetで全体進捗一覧表を作成し、
ここに進捗状況を入力していました。
ですので、一つの工程につき、
前述の工程書の入力・フォルダ移動とは別に、
SpreadSheetの進捗一覧表にも工程完了の日付をつける、という
二度手間が発生していたのです。
一つ一つはたいした手間ではありませんが、
やはりその蓄積はストレスですし、
何よりも工程書に入力したあと、全体進捗に入力するのを忘れてしまうのです。
今回一番なんとかしたかったのはこの部分。
前述の工程書のSpreadSheet化も、
この部分の改善がしたかったとうことが一番の動機でした。
顧問先ごとの工程書をSpreadSheet化できたことで、
この情報を全体進捗表に自動で反映することに成功。
さらには次の工程のセルの色が濃くなるように設定したことで、
どの顧問先について次にどの工程業務を行う必要があるのか、
そしてどの工程で滞っているのかなどが
一目でわかるようになりました。
10年来の課題が解決した瞬間です。
情報収集のインタビューをGoogleForm化
基本これまで、お客様からの情報収集は、
エクセルで作成したインタビューシートを印刷して、
それにチェックし、書き込んでいくということを行っていました。
顧問先からお預かりする資料はある程度しょうがないとして、
所内情報はペーパレス化を進めていくこととしていますので、
実験的に今年からGoogleFormを作成し、それを集約することを行いました。
これについては実験段階ですので、今年は私の中だけで終わりましたが、
来年はこれが自動的に上記の顧問先ごとの工程書に連動するように改良する予定です。
これにより、申告書作成の担当者との情報共有がスムーズになり、
顧問先ごとの特殊事情も勘案して業務ができるようになるんじゃないかと思っています。
総括と来年の目標
これらの改定をするのには、
やはりそれなりの時間を要しています。
基本当社の開発担当は私ですから。
しかし、その時間をかけてあまりある効果があったと思っています。
もちろん完成形ではなく来年以降に向けた改善の余地はありますが、
来年以降はその調整で済みますので、ずいぶんと楽になるだろうと思います。
一つ一つが「とても小さな無駄・ロスだったものを取り除く」、という改善でしたから
全体としてどれだけの時間を圧縮できたかということの正確な測定はできていません。
しかし仮に一つの工程につき1分削減されたとしたら、1分×20回×50件=16.7時間が
事務所全体として削減されたことになります。
さらにはその無駄によるストレスが排除されたことと、
全体進捗表の記入漏れが大幅に減少したことは、
目に見えない大きな変化です。
こうやって余った時間を安易に他の仕事で埋めてしまうと、芸がありません。
確かに仕事で埋めると儲かるけれども、
これまで通りの忙しさ、ということになってしまいますから。
せっかく作り出した大切な時間は、
まずは次のよりよい改善のための時間に充てていくのが正解だと思います。
今年一年の運用で見えてきた改善点もありますので、
来年に向けてまずはその改良。
そして確定申告作成業務の9割を2月以内に終わらせる、ということを
来年に向けての目標としたいと思います。
めっちゃ遅い時間まで働いて、ということをすると普通に実現できることですが、
これをこれまでと同じ働き方の中で自然と実現できるようにする。
これが大切なポイントだと思っています。