強みと弱みをどうするか。

SWOT分析は数ある経営分析の中でも最も有名なものの一つです。
しかし問題は、それを知っているだけでなくちゃんとやっているか、ということと、
やった後にそれを活かせているか、ということです。

クロスSWOT。

SWOT分析の説明と問題点

SWOT分析はあまりにも有名なので、今更説明は不要かもしれませんが、
一応説明しておきますね。

SWOTは、
強み(Strength)
弱み(weekness)
機会(opportunity)
脅威(Threat)
のそれぞれの頭文字を取ったものです。

このうち、強みと弱みは自分自身の話しですから、会社の内部環境です。
そして機会と脅威は会社の内面から出てくるものではなく、
外部から与えられるものですから、外部環境、ということになります。

そしてこの内部環境・外部環境がそれぞれどのような状態になっているのか、
ということを考えるのが、SWOT分析です。

自社の強みは何なのか、
逆に弱みは何なのか。
そして今与えられているチャンスとしてはどんなものがあるのか、
逆にどんなことが脅威となっているのか。
これらを考えるのです。

やったことない方は是非一度やってみてください。
そしてやったことある方も、
自社の経営計画を策定するときにはぜひSWOT分析を行うようにしてください。

つまり少なくとも年に一回はSWOT分析はやってみるべきだろうと思います。
1年たったら外部環境は大きく変わっていますし、
自分の出来ることも増えていますから。

こうやってSWOT分析でそれぞれの項目をリストアップしたはいいものの、
問題はこれをどう生かすか、ということですね。
その後の経営に活かさないのであればやった意味はありません。
むしろそこにかけた時間の分だけ無駄だったということになります。

そこで、これを活かすための2つの切り口を紹介いたします。

クロスSWOT

SWOT分析の活かし方としては、
おそらくこれが最もメジャーだと思います。

クロスSWOTのやりかたは次の通り。
まず横軸に強みと弱みを置きます。
そして縦軸に機会と脅威を置きます。
するとそれぞれの交わった点として
①強みと機会
②強みと脅威
③弱みと機会
④弱みと脅威
という4つが象限が生まれます。

このそれぞれについて、実際にどのような行動をおこすのか、考えるのです。

①強みでもって機会を活かすために何をするのか
②強みでもって脅威を無力化、または機会に変えるためにできることは?
③弱みで機会を逃してしまわないためにできることは?
④弱みの部分で脅威にさらされて最悪の事態を招かないために何をするのか。
ということです。

リストアップしたSWOTそれぞれをしっかりと見つめたうえで
これらの具体的な行動を考えていくのです。
すると慣れてくればくるほど、いろんな施策が出てくると思います。

しかしたくさん出てきたところで、時間も人材も限られていますから、
優先順位をつける必要があります。
基本的には、企業というのは強みで勝負をするものですから、
①に掲げられたものに力を注ぐのが原則です。
そして最悪の事態にならないようにしないといけませんから
④も大きなポイントです。

この視点で優先順位を定めて、
実行できるところからやっていきましょう。
そして時間的・資金的・人材的に手が回らない部分は、
すっぱりとあきらめましょう。

あれこれやろうとして、どれも中途半端になるのが一番問題です。
記録さえしておけば、また手を付けられる時が来るかもしれませんから、
諦めが重要です。

強み弱みをActionとNo Actionに

次に比較的シンプルなものですが、とても分かりやすい手段を。
ここでは SWOT分析のうち強みと弱みだけに着目します。

A4の紙をを横に3分割、縦に2分割して、6つの箱をつくります。
このうち真ん中の上の箱に「強み」、下の箱に「弱み」を記入します。
そしてそれを中心に
左側を「Action」、右側を「No Action」
として、
中央に記入した「強み」と「弱み」を左右に振り分けていきます。
要は、その強みや弱みについて、実際に手を付けるのか、どうなのか、
ということです。

強みのActionは、
強みをさらに強化するの行動につながりますし、
弱みのAction は、
弱みを克服するために、または無意味なものにするための行動につながります。

そして強みのNo Actionは、
強みであるから当面現状維持をはかる、ということになり、
弱みのNo Actionについては、
弱みであるが致命的ではないので捨てる、ということになります。

どの部分に手を付け、何を放置する(捨てる)のかを明らかにすることで、
会社がどのような方針で事業を進めていくのかが明確になります。
ここからさらに具体的に何を行うか考えてもいいのですが、
この「Action NoAction」を考えることで、前述の
「クロスSWOT」で導き出されたものの優先順位が考えやすくもなります。

ですから、このどちらかだけ、ということでは、
なくぜひ両方ともやっていただいて、
具体的にどのような取り組みをしていくのかということを
明確にしていただけたらと思います。

それによって事業の方針が明らかになり、かつ、
なぜその方針が導き出されたのか、ということを
はっきりと説明することができるようになるのです。

いずれにしても、最終的には
「決めたことをちゃんとやるかやらないか」、ということが重要です。
決めてもやらなければ決めた意味はありませんし、
やったとしても中途半端なことになるようであったらこれもまた意味がありません。

的をしぼって、
「これは必ずやりきる」というものを、ぜひ
全社一丸となって形にしていただけたらと思います。

そうすることで、会社は日々前進していくことができると思うのです。

タイトルとURLをコピーしました