事業に余裕があるうちに、次の手を打つ。

今やっている事業が順調だからといって、
そのまま今の事業のことしか考えてないなんてことはないでしょうか。
新しいこと・次の手を、どの段階から考えて打っておくべきか、
ということを少し考えていきたいと思います。

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手遅れのケースがとても多い。

たまに、「事業の状態が悪いから相談の乗ってほしい」
というご依頼をいただくことがあります。
こういった場合、すでに「状態が悪い」というのが思いっきり顕在化していますから、
実際に財務状態を見てみるとそのほとんどが、
「5年~10年前に相談してほしかったわー」
といった感じです。

「10年前に手を打っておくべきだったな」
と思うケースは正直、現時点では相当手遅れ感があります。
これだけタイミングが遅れてしまったのには、
いろいろ理由があります。
・銀行がお金を貸してくれるから資金的にひっ迫してなかった
・今の税理士の顔を立てて、他の税理士に相談する勇気が出せなかった
・ただ、なんとなく。

共通するのは、数字をあまり意識せず、
手元の現金だけを見て経営をしてきている。
そして危機感が薄い、ということ。
いずれのパターンも、決算書を一目見ただけで
相当前に何か手を打つべきだっただろうと考えられます。

今は資金に余裕があるが、先行きに不安がある場合

現状のビジネスで今のところ利益が出ていて、
過去の利益(または銀行借入)で資金的にはまだ大丈夫だけれども、
将来的に不安が大きい、
というケースです。

こんな場合には今すぐ、事業変革を行うべきです。
「資金に余裕がある」などというのは今のうちだけです。
むしろ今余裕がある、というのはラッキーであると考えるべきです。
先行きに不安があるということは、
現在の仕事の仕方や事業のあり方では赤字になっている、または
赤字になっていくことが目に見えているということですよね。
早々に事業のあり方を見直し、
ちゃんと外部環境と自社の強み弱みなどを分析して、
今の事業をさらに深掘りして改革を起こしたり、
もしくは新たな事業領域に踏み出していくべきです。

今ならまだ失敗も許されるでしょうし、
多少の設備投資も可能な段階です。
これがあと数年して資金に余裕がなくなってくると、
そこから銀行融資がどんどん膨らみ、その不安から
「チャレンジしても失敗できない」とか
「新しい取り組みにお金をかけられない」
といったような考えに陥って委縮してしまいます。

何も手を打てないわけではないにしても
相当制限された状態になってしまいます。
また、焦りから正常な判断ができなくなり、
「となりの芝が青い」ものに
飛びついてしまうなどということになるケースもあります。

既存事業の変革は、大胆かつ慎重に
考え、取り組む必要があります。
新しい事業はその何倍も慎重さと大胆さが必要になります。
さらには、その後立ち上げて形にしていくまでには
相当期間の努力と粘りが必要となります。
むしろそれくらい産業障壁の高いものでないと
あっという間に競合が現れて飲み込まれてしまうだけですし。

漠然とでも先行きに不安があるかたは、
今すぐ、事業の変革・転換を図ってください。
冷静な視点で事業領域を決定し、
その後数年かけて粘り強く育成していってください。
ただ大切なことは、
現状のビジネスをちゃんと突き詰めることができているか、
ということ。
「うまくいかないのは、今のビジネスではもう儲からない時代だからだ」
と安易に判断しないでください。
それは「言い訳」や「逃げ」ではないのかということを
自分に強く問い正しましょう。

今行っている事業に余裕がある場合

この場合は、今の事業が成長もしくは安定しているわけですから、
まずは現在に事業をブラッシュアップしていくことに
注力することが大切ですね。
しかし、外部環境は刻一刻と変化していっています。
今の事業のあり方で10年後今と同じ状態でいることができるかというと、
それはまず考えられないでしょう。
昨今はさらに外部環境の変化が激しいですから、
5年後でも微妙かもしれません。

ということは今の事業のマイナーチェンジを繰り返しながらも、
3年ほどのスパンで物事を考えて次の事業領域の種を見つけ出し、
そこに向けての準備を始める必要があるんじゃないかと思います。
余裕があるときに次の一手を考えて、
動き出しを始め、確実に形にしていくことで、
その会社は永続していくことができます。

逆に今の事業が安定しているとしても、
そこにあぐらを掻いていると、
あるとき、あっという間に転落します。
もちろん転落の前兆はあるわけですが、
あぐらを掻いているとそれに気づくことすらできません。

安定しているいまだからこそ、
「この会社は3年後に向けてこんな風に展開していくぞ」
ということを考えて、
毎年の経営計画に取り入れて着実に歩みを進めていきましょう。

これは多角化してください、という意味ではありません。
今の事業領域で同じことをやっていてもダメになるだけですから、
そのあり方を少しずつ変えていったり、
その事業領域から一歩踏み出したところに踏み出してください、
ということです。

もちろん自社の強みと外部環境から、
間違いなくこの新規事業が行える、
という確信があるのでしたら、
その場合は新規事業への参入もありでしょう。
しかしそこに注ぐリソース(主に人材・お金・時間)が
ちゃんと確保できるかはとても大事ですので
くれぐれも気を付けて。

結局は外部環境が変化していくのは自然の理ですから、
経営を続けていく以上、安息の日は訪れません。
「余裕をもって次のことに楽しみながら取り組むことができる」
この状態が経営者にとっての安息なのだ、
という感覚でいることが大切なんでしょうね。

私の取り組み

当社の経営はありがたいことに現在は順調です。
ただこのままの在り方で3年後、
今よりいい状態になっているとは思えません。
むしろ顧問先の経営者の年齢的に
廃業が想定されるところも数件存在しますので、
放置しておくと売上は減少します。
そしてその空いたところを
これまでと同じような仕事で埋めてしまうと
そこには成長がないわけです。

ですからその空いた時間を、
より付加価値の高い仕事に変換していかないといけません。
私はつい2ヶ月前にブログを始めたわけですが、
この活動はそこに向けての種まきでもあります。
私が、
 どんなことを考えているのか
 何ができる、何ができないのか
 何が嫌いな税理士・コンサルなのか
こういったことを明確にブログやプロフィールで
尖った形で発信していきます。
その中で、
「この人・この会社おもろいな」
とついてきてくれる、理解してくださる方が
当社のターゲットです。

まだほぼ読者がいない状態ですから、
毎日更新しても営業ツールとしては役たたずです。
頭の中が整理されるなどの効果はありますが。
これが営業ツールとして生きてくるまでは
おそらく3年くらいかかるんじゃないかと思っています。
ですから私はこのブログを
最低でも3年先を見据えて今日も書き続けているのです
(もちろん3年後にやめるということでもありません)。
そのころには記事数が1000を超えてきますので、
このあたりからようやく違いを生み出せるものになっていると考えています。

そんなサイトに育てるべく、今日も明日も明後日も(笑)

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