ターゲットを、いかに喜ばせるか考える。

ほとんどのビジネスは、ターゲットを定めることが大切です。
今回は、改めてターゲットの定め方と、その活用方法について。

ターゲットがないと、センスのないものになる。

事業を新たに始めたり、
新しく商品開発を行ったりする場合には、
まずターゲットを定めることが大切です。

これはもう、どんなビジネスでも必要と言って
過言ではありません。

これが定まっていないと、
まず開発する商品やサービスが、
結局誰に売りたいのかわからないため、
どんどん中途半端なもの、
一貫性のないもの、
ピントがずれているもの、
要は、
「センスのないもの」
になっていきます。

そして、広告宣伝や販促を行う場面でも、
それがどんな人に向かって訴えられているかもわかりませんから
商品開発と同様に、
中途半端で一貫性がなく、ピントがずれている、
センスのないものになってしまうのです。

商品にしても販促にしても、
そのセンスのないものを見せられて、
その商品を購買しよう!という気になることは、
あまりないんじゃないかと思います。

感性の鋭い人や、
ちょっとした「違いのわかる人」ほど
そのセンスのなさを見破りますし、
そんな感性のない多くの人に対しても、
そのセンスのなさは、「違和感」として伝わります。

そして、結果として多くの人の購買意欲に結び付かないのです。

ターゲットは、できるだけ具体的に。

「ターゲットを定めましょう」
という話しをしたときに
「20代~30代OL」
とかいいった形で、
結構幅広くターゲットを定めてしまいがちです。

しかしこれではターゲットを定めたことにはなりません。

まず20代~30代では、
約20歳の年齢幅がありますから、
21歳と39歳が同じことを考えて生きているとは思えません。

そして同じOLでも、
どんなところで働いている人なのか、
バリバリのキャリアウーマンも、保守的な公務員もいるわけです。

さらにはとんでもない田舎に住んでいる人も
大都会に住んでいる人も
含んでしまっています。

つまりこれでは、ターゲットを定めているようでいて、
実は定めていないのとほとんど変わらない状態なのです。

「ペルソナ」という手法を聞いたことがある方も
おられるかと思います。
例えば、
48歳、男性、奈良市在住、古い閑静な住宅に住んでいる。
妻と子供2人(小学生高学年~中学生)の4人家族。
仕事も好きだが、同様にプライベートをいかに充実させるか考えている。
家族ぐるみの活動と、ホームパーティが大好き・・・
などという風に。
まぁ、これは私なわけですが(笑)。

しかしペルソナにも一つ欠点があって、
どれだけ細かく設定を施しても、
あくまで空想上の人間なわけです。

空想上だとどうしてもイメージがわきにくいですし、
イメージがわきにくい分、設定を突き詰めていくと、
「ホンマにこんなやつ、おるんか?」
という気持ちにもなってきます。

ですから私のオススメは、
既存の顧客で、自社が理想とする人を一人定めること。
「うちの商品をこの人に提供して喜んでもらえるのが最高にうれしい」
と思える一人です。
直接的な顧客がいないのであれば、
身近な人でもいいでしょう。

そして、その一人を定めたら、
その人の特徴・属性を、
先ほどのペルソナと同じように、
細かく細かく設定化し、一般化するのです。

小零細企業であれば、事業内容にもよりますが、
その特定の一人自体を、
ほとんどの社員が認識している場合も多いだろうと思います。
自社のターゲットを具体的にイメージする、という意味において、
社員がその実在の人を実際に知っているというのは、
とてもメリットがあります。

これは、小零細企業ならではの強みなんじゃないかと思います。

そのたった一人に、いかに喜んでいただくか。

このようにターゲットが「この人」と具体的に定まったら、
あとは、
「どれだけそのターゲットを喜ばせるか」
という視点で考えます。

新しい商品を開発するにも、
・この商品のデザインはどんなにしたら響くだろう?
・この商品に、どんな機能をつけたら喜ぶだろう?
・この商品に、どんな価値を付け加えたら笑顔になるだろう?
・どんな特徴をもたせたら、嬉々として他の人に伝えてくれるだろう?
このような目線で、商品づくりを行っていくのです。

また広告や販促を行う場合にも、
・どんなキャッチコピーを使ったら、その人に刺さるだろう?
・どんなデザインが、その人の好みだろう?
・どの商品をアピールすれば、その人の購買意欲をくすぐるだろう?
・感謝のお手紙を送るとするならば、どんな内容がいいだろう?
このように、たった一人に届けるつもりで、
作りこんでいくのです。

ホームページのつくりや、ブログの発信、SNSでの発信、
名刺のデザインから何から何まで、
すべてそのたった一人に届けるために。

このようにすれば、冒頭に述べたような
商品や販促のブレは一切なくなりますし、
その会社(またはブランド)としてのイメージも
明確に統一されていきます。

今の事業のあり方がブレてるな、とか
方向性がいまいち定まっていないな、とか感じたら、
ぜひこの
「たった一人のターゲット」
を理想の顧客として定めましょう。

それが事業の方向性を明確にする入口に、
きっとなるだろうと思います。

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