「事業の目的は、顧客の創造である」
有名な、ドラッカーの言葉です。
ボランティアでなく事業である限り、
その事業は顧客を創造し続けないと、いずれ消滅する運命にあります。
だからこそ顧客をつくる(=売上をあげる)ことに経営者は皆、
苦心しているわけです。
今日はその方法論について。
どう考えても一回では語りきれませんのでシリーズものとなりますが、
例によってこのブログは書きたいことをその日に書くことをモットーとしていますので、
この続きは明日、というわけではありませんのであしからず。
自社の顧客にいたる、ステップ
「顧客を創造する」といっても、
一般の人がいきなりお客さんになってくれるわけではありません。
一般人(「生活者」と呼びます)に自社の顧客になっていただくには、
そこに至るまでに経るべき一定のステップがあるはずです。
ですから、「顧客を創造する」ということを考えるには、まず、
このステップを理解するところから始めましょう。
①生活者
その辺で暮らしているすべての人々です。
②消費者
生活者のうち、自社の商品を購入する可能性のある人。
例えば車の免許がなければ、基本、
車の消費者ではありません。
③ターゲット
消費者のうち、自社の商品を購入してほしい人。
こちらが提供したい価値に共感してくれる人。
④見込み顧客
ターゲットのうち、当社とのつながりができた人。
まだ購入を決定しているわけではない。
⑤顧客
契約が成立、または販売が完了したお客様。
⑥優良顧客
顧客のうち、積極的にリピートしてくださる方、
顧客を紹介くださる方。ファン。
このステップを上がってきていただく必要があるわけですが、
まず①生活者→②消費者は、
こちらのコントロール下にはありませんよね。
そして②消費者→③ターゲットですが、これは
「上がってきていただく」
というよりも、
自社で積極的に「定義する」ものです。
ですから、こちらから仕掛けることで、このステップをあがってきていただく
最初のポイントは、
③ターゲット→④見込み顧客
です。
まずはここをクリアしないことには、顧客が増えることはありません。、
見込み客を作るも、技術。
「売り上げの目標」や「契約の目標」などの設定は
多くの会社でなされていることかと思います。
しかしこれでは単なるノルマであり、
その売上を実現するために具体的に何を行うか、というところは
案外「なんとなく」なことになっているかと思います。
で、「なんとなく」になっていると何が問題かというと、
その目標が達成できなかったときに、
どこに問題があったのかがよくわからないのです。
それでは、その後のいわゆる「PDCA」が機能しないんですよね。
ターゲットが見込み客に到達するまでの道筋を設計し、
ロジカルに仮説をたてて、
その仮説に沿って実行し、
実行した結果が目標に照らしてズレがあった場合に、
その仮説に対して検証を行うのです。
こうして目標にたいする結果の精度を高めていくことが可能となります。
それでは次に、この仮説を立て方を考えてみましょう。
見込み客への道筋
見込み客をつくるための仮説を立てる、といっても、
その手段が整理されていないと、
どのように道筋を立てればいいのかわかりません。
今回ばかりに限らず、こうやって物事を考えるときに困難が伴うとき、
私がとても大切にしている言葉があります。
「困難は分割する」
かのデカルトがその著書、「方法序説」の中で述べた言葉です。
難しい課題や問題に突き当たったときに思い出すべき名言です。
仕事でもなんでも、難しくてどのようにクリアしたらよいのかわからなくなったら、
それを自分で取り扱えるサイズまで細かく細分化していく、
ということです。
ターゲットをいきなり見込み客にしようとすると、難しいです。
ですのでその段階をさらに細かく細分化しましょう。
そしてその細分化の方法も、
自分でイチから考えると大変です。
ですからこういったときは、堂々と先人の知恵に頼るのが大切。
販売促進のプロセスの考え方として、
「AIDMA」
というものがあります。
AIDMAについてはGoogle先生に聞いて頂いたらヤマのように情報がありますので、
その詳細はご自身で調べて頂くとして、
私はこれと少し違う、次のような細分化をお勧めしています。
①認知段階
まずは会社やお店や商品を知ってもらうために何をするか、
ということです。
知ってもらっただけで買ってもらえるわけではありません。
しかし、入り口は「知ってもらう」ことですよね。
だからまずはどんな手段でターゲットに認知してもらうのか、
その手段を考えましょう。
②興味段階
これは認知したターゲットが、
自社や商品に興味をもっていただくために何をするか、
という段階です。
購買に繋げようとすると、認知してもらっただけでは不十分で、
興味をもっていただかなくてはいけません。
そこで次は、どのような手段で興味を持ってもらうか、
これを考えます。
③記憶段階
興味をもったとしても、
人間すぐに忘れてしまいます。
皆さんもそんな経験ありますよね。
「あ、あれ面白い」と思っても、
それが頭にずっとこびりつき続けることっていうのは、
めったにないことです。
ですから、
「どうやって記憶に止めてもらおう?」
ということを考えることが必要です。
記憶に止めてもらって初めて、
ターゲットが自ら動き出すことができるようになるのです。
④比較段階
さて次は、いかに「比較してもらうか」です。
記憶にとどまると、ちゃんと調べてもらうことが可能になります。
しかし、世の中には自社と同じビジネスをしている会社は
他にもたくさんありますし、
競合商品も世の中にあふれています。
その中で自分が選ばれるためには、
他と何が違うのか比較してもらう必要があり、
そのためにターゲットに多くの情報を提供していく必要があります。
情報が少ないとそれは、
「よくわからないもの」となってしまうのです。
⑤検討段階
さて、いよいよゴールが近づいてまいりました。
次に「検討」段階です。
他社と比較されただけで終わるわけにはいきません。
比較されたのち、ターゲットが消費行動に移ろうとする局面で、
自社商品を購入することを検討してもらうよう
仕向けていくステージです。
より深く自社や自社商品のことを材料を提供し、
次の「接続段階」へ導くしかけとして、
検討できる材料を供給します。
⑥接続段階
ついに最終段階。
接続とは、
比較・検討を経て、自社を選択肢に加えてもらうためのステップです。
これまでターゲットは
こちらからの一方的なターゲットでしかありませんでしたが、
この「接続」がうまくいくと、
顧客側からターゲッティングされることとなります。
自社が、ターゲットが購買をするための「最後の選択肢」となるために、
具体的にどのようなことを行うのか。これを決めます。
このようにしてそれぞれのステージで
どのようなことを行うことで次のステージに導くのか。
これを具体的に計画して、実行していくのです。
これが「技術でもって、見込み客をつくる」ということです。
ずいぶんと長くなってきましたので、今回はこの辺で。
次回以降もう少し具体的なお話しができればと思います。