時間の作り方と、使い方。

経営者にとって、時間の作り方と、
作った時間の使い方、
非常に大切です。
私の考えるこれらについて。

効率化に依存し過ぎない

最近、「時間は金なり」ではなく、
取り戻せない分、お金よりも大切なことにみんなが気付き始め、
いかに時間を作るか、効率化するか、という書籍が
たくさん出ています。

いろんな視点で書かれていますが、
その中で「効率化」というところだけに依存するのは
あまりよくないかな、と思います。

もちろん、効率化を否定しているわけではありません。
とても大切です。めちゃめちゃ大切です。

しかし「効率化」というのは、今ある仕事をどれだけ短く片付けるか、
という技術的なことですから、
こなす仕事量を減らす、ということではありません。

同じ仕事量であるならば、多くの場合、
そこには同じだけのストレスがかかります。
短い時間でギュっと圧縮してる分、
余計にストレス負荷はかかっているかもしれません。

しかし、時間の余裕を持たせることの目的の一つは、
心に余裕を持たせることであると思うので、
心の負荷が変わらないのであれば、それは違うんじゃないかなと思います。

時間の作り方

ですから時間を作る際には、
具体的に自分のする仕事量自体を減らしてしまうことが大切です。

サラリーマンは組織の中で与えられる仕事がありますから
これを自発的に行うことは困難ですが、
我々経営者は違います。
どんな仕事をするか、その仕事をするのか、
その判断はすべて自分でできるはずです。

「経済的にそれはムリだよ」と言われるかもしれませんが、
どんな理由であれその仕事を受ける最終判断は経営者自身が行っています。

そんな中、効率化以外でどのように時間を作るかというのは、
だいたい以下の通りだと思います。

仕事を捨てる

今やっている仕事を、減らしてしまうということです。
「仕事=収益に関わる業務」だとすると、
仕事を減らすことは収益減ですから、
それはなかなか勇気のいることだろうと思います。

しかし仕事の中身を改善していくためには、いったん仕事を減らさなければなりませんから、
今の仕事の中でも著しく非効率であるものや、将来に活きないもの、
やっていて苦しいものや楽しくないものは、
勇気を持って捨てる必要がある場合もあります。

もちろんその後の収益・利益的なリスクヘッジはしたうえで、ですよ。
捨てた結果、食えなくなっては大変ですから。

仕事を選ぶ

仕事を捨てる、に似ていますが、
受注をコントロールする、ということも時間を作るには大切なことです。

頼まれた仕事全てをするのもいいですが、
本来自社が引き受けるべきでないような仕事や、
自社が引き受けたくないような仕事をなんでもかんでも引き受けていると、
あっという間に、時間が自分主体のものではなくなってしまいます。

自分や自社が本来独自性を生み出すことのできる仕事であれば、
そこには付加価値が生まれ、顧客満足度が高まるとともに、
収益性も高くなります。
そうでない仕事はその逆で、
本来自社が提供するものでない仕事を引き受けても、
満足度は低めとなりますし、収益性は下がり、
どんどん時間が失われます。

仕事を任せる

「それは経営者だからできるんだよ」
と思われるかもしれませんが、
しかし経営者でなくとも管理職にある人は、
これができなければいけません。

マネージャーの仕事は、
「組織を通して成果をあげる」ということです。
そして経営者は管理職の中でもトップ中のトップですから、
いつまでも、自分がやる必要のない仕事をやっている場合ではありません。

どうすれば自分の手から離れるのか、離すことができるのか。
常にこれを考えながら仕事をしましょう。

小零細企業でも同じことです。
一人経営者であっても、
何も仕事を任せる先は自社の社員だけでないはず。
お金を使って外注してでも、それによって時間を生み出して、
その時間を使ってより価値を生み出すことができればそれでいいのです。

余った時間の使い方

それでは、そうやって仕事を減らして作った時間を何に使いましょう?
ここで多くの人が間違えてしまうのは、
余った時間をまたこれまでと同じ仕事で埋めてしまうことです。

たしかにこれまで10出来ていた仕事が、12とか13できるようになって、
それによってより多くの収益を得ることが出来るかもしれません。
しかしこれは、過去の延長線上にあるだけで、
結局時間が埋まってしまったらそこで打ち止め。
組織としての成長はありません。

ですからせっかく作った時間は大切にまずはそのまま取っておきましょう。
そして収益に直結する今の仕事で埋めるのではなく、
将来の収益のために使いましょう。

経営の将来を考えるための時間に充てることもいいでしょう。
あらたな事業領域を構築するための時間としてもいいでしょう。
さらに付加価値を高めて収益性を高めるための時間に使ってもいいでしょう。

ポイントは、「将来」。
今の仕事を減らして時間を使い、それを将来への投資へ振り分けていくことで、
事業や仕事の内容が、よりよいものに置き換わっていきます。

これが組織の変革であり、成長だと思うのです。

あと、空いた時間をそのまま空けたままにしておくというのも一つ。
ゆとりはクリエイティブな思考を生み出しますし、
プライベートを充実させることで、それがよりよい仕事につながるでしょう。

いずれにしても、目の前の利益に振り回されるのではなく、
将来を見据えた時間の使い方を意識しましょう。

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