よい人が入社してくる会社と、そうでない会社。

いろんな顧問先を見ていると、
求人をするとすぐにいい社員さんが入ってくる会社と、
そうでない会社があります。
今日は、そんな会社の違いについて。

それはやっぱり経営者の責任。

いろんな会社とお付き合いさせていただくと、
その求人に対する反応の落差がありすぎて、
とても面白いものです。

なかなか人が集まらない会社はめちゃ困っているので、
面白いと言っては不謹慎ですが。

しかし不思議なことに、
それほどまでに大きな差があるのです。

面接に来てみないと、
具体的にその会社がどんな会社かということはわからないですよね。

しかし、そもそも面接に多くの優秀(に見える)人が集まってくる会社と、
全然集まってこない、挙げ句たまに応募があっても変な人ばっかり、という会社が
あります。

この差はいったい何なのでしょう?

もちろん時給の高い低いという問題もあるかもですが、
同じような条件でも現実としては明確な差が現れてきますから、
それが根源的な問題ではありません。

同じような条件でそういった差が現れる、ということは、
やはりその会社の全体から感じられるオーラのようなものがあるとしか思えませんし、
実際にそういったものがあります。

小零細企業においては、
その会社が外からどう見えるかというのは、
それは社長のキャラクターそのものです。
ですから求人しても人が集まってこないのは、
やはり、100%経営者の責任と言っても差し支えないと思うのです。

選んでもらう必要がある。

かつて、人は余っている状態であることが、ありました。

働きたいと思っている人が多数いて、
求人(正社員だろうがパートだろうが)を出すと、
どっさり人が集まってくるという、そんな時代です。

しかし、今はそんなことはありません。

しかも、もし人が余っている状態だとしても、
「こういう業種で働きたい」
という形で選り好みをするようになりました。

そんな環境下ですから、
会社側は働こうとしている人たちに
「選んでもらう」
必要があるのです。

そういう意味で、求人は
販売と同じ考え方で取り組む必要が出てきたのです。

これはどういうことかというと、
商品を販売するときには、
自社の商品を消費者に選んでもらう必要があります。
もちろん競合商品もあるわけですから、
その中からあえて自社の商品を選んでもらう必要があるのです。

消費者が商品を購入する際には、必ず、
その商品を選ぶ理由があります。
皆さんが買い物されるときも、そうですよね。
必ず何がしかの理由があって、
その購入する商品を選んでいるはずです。

ですから自社の商品がターゲットに求められるためには、
選んでもらうための「理由」が必要なのです。

なぜ消費者は、自社の商品を選ばなければならないのか。
なぜ消費者は、自社の商品を選んでしまうのか。

この「理由」を消費者に与える「価値」と考えて、
商品価値を高めていくことが求められます。

雇用もこれと同じことだということです。

なぜ求職者は、自社で働くことを選ぶのか。
見方を変えれば、
どうすれば求職者に選んでもらえる存在になれるのか、
ということです。

消費者に選ばれるために良い商品を作ることが、
消費者に媚びているということではないのと同じように、
求職者に選んでもらえるようになるということも、
求職者に媚びているわけではありません。

求職者に媚びるということではなく、
求職者に「ぜひここで働きたい」と思ってもらえる会社を作る、
ということが必要なのです。

「なんでうちの会社は求人しても人が来ないんだろう?
 ライバルのあの会社はあんなに人が集まるのに」
と口にして、何も行動しないのは、
単なる愚痴です。

その疑問が生じたならば、
その「なんで」を追求して解決・変革・工夫をしていくことこそが、
人が集まる会社づくりの一歩です。

誤解を恐れずいうならば、
「なぜうちの会社に人が来ないんだろう」の回答は、
「あなたの会社に魅力がないのです」
ということになります。
もしくは
「あなたの会社で働く条件が整っていないのです」
ということだろうと思います。

選ばれる会社になるために。

選ばれる会社になるための要素は、
もちろん一つではありません。
そこにはいろんな要素があるだろうと思います。

時給・給与が高いか低いか、ということが大きな要因として、当然あります。
ただ逆に言うと
それが必ずしも決定的な要素ではありません。

収益性や将来性も大切です。

その会社の持っている雰囲気も大切です。

そして、働く環境や、働く条件も大切です。

これらを掘り下げていくと、それだけでまた膨大なボリュームになる予感がしますので、
また別の機会にしたいと思います。

いずれにしても、
いかに
「選ばれる、選んでもらえる会社になるのか」
ということが大切です。
求職者にとって、どのような魅力がある会社であるか、
ということが大切なのです。

もちろん業務内容によっては、
できること、できないこと、困難なこと
あるかもしれません。
しかしその業務内容なりに、
工夫の余地はいくらでもあるんじゃないかと思います。

それなのに、できない理由ばかり挙げて、
思考停止しているケースが
非常に多いんじゃないかと感じています。

小零細企業は、資金力で大手には間違いなく勝つことはできません。
ですから時給の高さで勝負することはできません。

しかし大会社にはない弾力性が、
小さな会社にはあります。

その強みを生かして、
仕事を探している人たちが魅力的に感じる仕組みを作り上げて、
そんな働き方を求める人たちにちゃんと届けるのです。
「ここに、こんなことができる会社があるよ」
「ここに、こんなことが許される会社があるよ」
「ここに、あなたの置かれた環境でも、働ける会社があるよ」
それを正しく発信していきましょう。

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