好きなことをやってもらう。

人間、向き不向き、というものは
どうしてもあります。
ですから、その人の好きなことをやってもらう、ということが
ハイパフォーマンスにつながります。
小零細企業で、なかなかそうはいってられませんが。

うちの事務員さん作。実はクリエイティブな人でした。

得意な部分で活躍してもらう。

人にはそれぞれ、
得意なことと不得意なことがあります。
どれほど器用で優秀な人でも、それはありますし、
ある程度できる、と言っても、
それ自体実はあまり好きでない業務である、
といったこともあります。

そんな、不得意なことや、好きでない(嫌いな)業務は、
その人の日々のモチベーションを下げることになってしまいますし、
少なくともモチベーションが上がってくることはないでしょう。

ハイパフォーマンスは期待できません。

そんな仕事で「80点の仕事をしろ!」と言っても
それはなかなか難しいものです。

人数の少ない会社は全員が均等に同じ仕事をしている
ということもありますが、
基本的にはその業務内容や役割を細分化して、
それぞれの適正や趣味趣向を把握し、
その最も活躍できる部分で力を発揮してもらうことが
とても大切です。

「適材適所」とは言葉ではよく聞きますが、
実際これができているかというと、
案外適当に、業務に人をくっつけています。

事務部門の求人で来た方でも、
入社してその仕事ぶりを見てみると、
案外クリエイティブな仕事に対して生き生きとしている、
という場合もあります。
当面は事務で仕事をやってもらうとしても、
そんな人には将来的に、もっと企画に近い仕事をしてもらった方が、
ハイパフォーマンスを発揮してくれますし、
本人も楽しく仕事をしてくれます。

経営者としては、絶対この方が嬉しいですよね。

でも苦手な仕事もやってもらわねば。

しかし、我々は残念ながら小零細企業。
組織の人的資源は乏しいですから、
細分化した業務ごとに人を完全に割り振ることはできません。

当然のように「兼業」というカタチになってしまいます。

業務をどれだけ細分化しても、
一つの仕事には複数の業務が存在しますから、
大きい会社であっても、
苦手な仕事から完全に解放されることはないでしょうが。

いずれにしても、
苦手なこと、嫌いなこともやってもらわないといけない現実があるわけです。

そんな中、経営者は、
こんな苦手な仕事に対しても
80点の仕事を求めてしまう傾向があります。

それはそもそも無理な話しです。

しかしそれを「嫌いだから」とか「苦手だから」とかいうことで、
30点の仕事しかできないようでは、これはこれで困るわけです。

ですから、
「苦手やし、好きでない業務かもしれないけれども
 必要なことなので、
 せめて60点の仕事ができるようにはなって欲しい」
と伝えることが必要だと思います。

逆に言うと、それ以上は求めない、ということです。

求めてできるのであれば良いですが、
できないし、求められることが苦痛でしかないことですから、
無理矢理80点の仕事を求めることにメリットはありません。

上に立つ人間は、少々目をつぶる。

このように、その人が苦手な部分には、
経営者は多少目をつぶる必要があります。

そんな我慢をできるからこそ、
経営者は経営者たり得るのです。

それでも見ていて腹が立つ、ということであれば、
いっそのこと見ない(笑)、
というくらいの覚悟があっていいんじゃないかと。

全く見ないわけにはいきませんので、
見ないふり、くらいですね。

そして、得意な仕事や好きな仕事を任せた場合にも、
同じように多少目をつぶることは必要です。

好きな仕事を与えられた人は、
嬉々として仕事をしてくれますし、
だいたいそれはハイパフォーマンスです。

しかしそうやってあがってきた結果に対していちいち
あれはダメ、これは違う、と否定してしまうと、

「任せたといいながらも、結局全部経営者の思った通りにしかならんのか」

と、せっかく楽しく自己表現して仕事をしてくれているそのモチベーションを
低下させてしまう結果となってしまいます。

ですから、できあがってきたものが
多少経営者の思いと異なるものであるとしても、
ある程度はそのまま泳がせて
チームとしての仕事を継続してもらうことが必要です。

もちろんそれが致命的におかしい状態だと指摘する必要はありますし、
「経営者の意志」でなく、
そもそも会社の方針・方向性と異なる場合には、
それは上司として導いていく必要はあります。

その場合、ちゃんと「なぜそうなのか」ということを伝えて、議論を重ね、
お互い納得いくカタチでの方向性に持っていくようにしましょう。

例えそれが絶対的な正解であるとしても、
「それは違う!これが正解!」と言われるのは、
否定でしかありませんから。

経営者やリーダーの仕事は、
いかに社員それぞれが
生き生きと仕事ができる環境を整えるか、
です。

部下を叱り飛ばすことではありません。

チームとして最大限のパフォーマンスを発揮するためにはどうすればいいのか。
そのゴールから逆算して、
経営者としての自身の行動を考えていただけたらと思います。

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