最近、「パスワード管理帳」なるものの存在を知りました。
最初はその存在に疑問をいだいたのですが、
よくよく考えてみると、案外便利?
その利用と存在の是非について。
パスワードの管理は大切
現在、いろんなサービスがPCやスマホで片付いてしまうようになりました。
そして、そういったサービスを受けるためには、
そのサービスごとのアカウントが必要で、
アカウントが必要ということは、
ほとんどの場合パスワードがセットで必要になります。
私もいろんなweb上のサービスやアプリの利用をしていますから、
保有しているアカウント・パスワードは優に100を越えます。
もちろんこれらのすべてを記憶するなどということは不可能ですから、
私なりに一元化して管理しております。
それをどんな手段でやっているかということをこちらに記載することは
リスクでしかありませんので、ここで公にすることはできません。
いずれにしても、一元管理をしています。
アカウント・パスワードを管理するときのポイントは、
・一元化されていること
・すぐに検索できること
・人から容易に見られないこと
といったものになってくるだろうと思います。
改めて言われずとも、皆さんなんらかの形で
上記の要件を満たした管理はしているでしょうが、
もしそれができていない人は、その都度
「アカウントなんだっけ?パスワードなんだっけ?」
となり、時間の無駄でしかありませんから、
すぐに取り出せるところに一元管理しておくのは
絶対条件かと思います。
もしできていない人のであれば、今からでも少しずつ
整えていきましょう。
アナログ管理帳は、リスクが高い?
さてそんなパスワード管理ですが、
もちろんアカウントやパスワードは、デジタルな場面で使用しますから、
これらはデジタルで管理しておくと便利です。
またデジタルであれば、ちゃんとバックアップさえとっておけば、
基本的に紛失することはありません。
これらのことから、私の中でパスワード管理を
アナログで行うなんてことは考えもしませんでした。
そんな中、実体をもつ紙ベースのパスワード管理帳なる商品に出会い、
「なんじゃこの商品は?」
と思った次第です。
データと違って、簡単に場所を移動しますから、
家の中とかでも紛失する可能性が高い。
ましてや、万一屋外で紛失してしまったときには、
自分の保有するアカウントが根こそぎ外部流出してしまうという、
おそろしいリスクを伴った商品だと思いました。
正直、
「どんな人だ、こんな商品を使用するデジタル音痴は・・」
と思ったものです。
アナログだからこそ
しかし少し立ち止まって考えてみると、
「ちょっと待てよ、そんなに頭から否定すべきものか・・?」
と思えてきました。
まずはセキュリティ。
確かにアナログは、紛失してしまうとエライことになりますが、
デジタルは所詮PC内のデータですから、
どこまで行っても、ハッキングされて外部流出する可能性は
ゼロではありません。
しかしアナログのパスワード管理帳はその点、
外部からハッキングされる可能性はゼロです。
泥棒に入られたら話しは別ですが。
そして、通常は考えにくいですが、
パスワードを他人に調べてもらう必要がある場合。
PCの中で管理されている場合は、
相手がPC音痴だと、電話などで調べてもらうことができません。
しかしアナログ管理であれば、
その場所だけ教えれば、誰でも調べて教えてもらえます。
もちろんその後保存場所を変更しなければならないでしょうが。
保存場所を完全に特定の場所に限定し、
外部に持ち歩くことを想定しなければ、
実は結構セキュリティレベルも高く、
有用性が高いんじゃないかと思います。
いろんなアカウントを登録するとき、
つい共通のパスワードを使用してしまいますが、
これは意外に危険なことです。
そのうちの一つが流出してしまうと、
ほかのアカウントまで危険にさらされてしまいます。
共通のパスワードで管理するくらいなら、
アナログな管理帳で、異なるパスワードで管理する方が、
実は安全という考え方もあるでしょう。
万一のときのために。
パスワード管理のポイントとして、先ほど3つほどあげましたが、
実はもう一つ、大切なポイントがあります。
それが、
「自分に万一のことがあった場合」
です。
今や、銀行や証券会社などもネットの中だけで片付きます。
そしてネットバンクやネット証券ほど、
いろんな通知はメールやウェブにログインして入手することになりますから、
郵送物なども届かず、その口座の存在を伝えていなければ、
自分が死んでしまった後に、残された人が、
その口座の存在自体を知らない、
というようなことが起こってしまいます。
そしてそのアカウントやログインパスワードがわからなければ、
本当にいろいろと苦労することになるだろうと思われます。
ですから自分の身に万一のことがあった場合に、
そういった情報がちゃんと遺族や大切にな人に伝わるように
しておかなければなりません。
でも日頃は知ってもらいたくない。
パスワードは、そういった若干矛盾をはらんだものでもあるのです。
そんなときに、アナログのパスワード管理帳は、力を発揮します。
自分が死んだあと遺族は通常、金庫の中や机の中など、
大切なものが入ってそうなところの中身を確認することになります。
すると現物で保存してあるパスワード管理帳は、相当高い確率で
発見してもらえることとなります。
もちろん事前に場所を伝えておいてもいいとも思います。
パスワード管理帳はカギがついているものもありますので、
どこにあるかわかっても、その中身は確認することはできません。
しかし、本人の死亡後であれば、遠慮なく破壊してしまえば
それで済むわけですからね。
このように、アナログのパスワード管理帳、
考えれば考えるほどに侮れないものでした。
「なんじゃこの商品は?」
などと考えてしまってすいません、といった感じです。
それでも基本はやはりデジタル管理が便利だとは思うのですが、
このようにアナログにはアナログの良さがあります。
これらを上手に組み合わせながら、
最大の効果を得られるように工夫したいところです。
アナログも、捨てたものではありません。